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- 接客業のクレーム対応方法とは?NG行動を理解して適切な対応をしよう!
接客業では、クレーム対応を避けては通れません。お客様の勘違いによるものもあるため、いくら万全を期していても、クレームは発生するものです。クレームの原因がどこにあるにせよ、適切な対応が求められます。クレーム対応が会社の評判を左右することにもなりかねないからです。この記事ではクレーム対応方法、クレーム対応時のNG行動について紹介します。
1.クレーム対応はなぜ必要なの?
クレームは、お客様が期待していたサービスよりも実際のサービスが下回ったときに発生します。ただし、クレームの発生条件を満たしていても、全員が直接クレームを言ってくるわけではありません。実際にクレームを言ってくる人は全体の約5%だといわれています。直接クレームを言わない人をサイレントクレーマーというのですが、怒りが収まって何も言わないのではありません。怒りはくすぶった状態です。SNSの時代、クレームがどのような形で再燃し広がるかわからないので、5%のクレーマーの裏に95%のサイレントクレーマーがいることを意識する必要があります。
直接クレームを言ってくるクレーマーにしっかり対応することは、サイレントクレーマーの対策としても有効です。逆にクレーム対応をしっかりとしておかないと、二次クレームにつながる可能性があります。クレーム対応のときほど態度や言葉使いに気を遣うようにしなければなりません。
2.クレーム対応の方法
ここまでのところで、接客業ではクレームの発生が避けられないこと、どのように対応するかがとても重要だということがわかったのではないでしょうか。ここからは、具体的なクレーム対応の方法について解説します。
まず謝罪する
クレームを受けたら、まずは謝罪することが大切です。クレームを受けたということは、お客様が不快に思う何かがあったということに他なりません。この時点では、クレームの原因が何であるかは二の次です。
たとえお客様の側に非があったとしても、お客様を不快にさせてしまったという事実に対して謝罪しましょう。一旦謝罪したうえで、お客様の言い分を聞くという手順で対応することが大事です。
もし、謝罪せずいきなりクレームの原因を聞き出そうとしたら、怒っている状態のお客様からうまく事情を聞き出せるでしょうか。おそらく論理的に話し合おうとしてもうまくいきません。お客様の言い分を聞き出したうえでこちらの言葉に耳を傾けてもらうためには、一旦お客様の怒りを鎮める必要があります。最初に謝罪することは、お客様に落ち着いてもらう時間を確保する意味でも効果的です。
事実確認する
謝罪をしたら、次は事実確認をしましょう。お客様がどのような点に対して、なぜ不満を持ったのかということをしっかり聞き出す必要があります。事実確認をする際には、表情や姿勢に十分注意しましょう。クレームを言いに来ているお客様は、店に対しても従業員に対しても悪い印象を持っている状態です。印象を良い方向に変えるためにも、真剣にお客様の言葉に耳を傾けていることを感じてもらわなければなりません。必要に応じてメモも取るようにしましょう。お客様が勘違いしている部分があると感じても、途中で話を遮って反論してはいけません。一通り最後までお客様の言い分を聞くことが大事です。
解決策などを提案する
お客様の言い分を聞き、事実確認をしたら、クレームに対してどのような対応ができるかをお客様に回答します。すぐに解決案を提案できる場合は、最優先に対応しましょう。すぐに対応できない場合は、対応にどれだけ時間が必要か、具体的な時間をお客様に伝えます。新たな不満を生み出さないようにするためにも、できる限りお客様の立場に立って、対応を進めるようにしましょう。
クレーム対応では、お客様が何を要求しているのかを正しくくみ取ることが重要です。お客様が求める対応ができない場合は、お客様にメリットがある代替案を提示して、納得してもらう場合もあります。解決策がわからない場合や、自分では判断しかねる場合は、責任者などに対応を変わってもらうことも必要です。
3.クレーム対応の際のNG行動
クレーム対応では、やってはいけない行動がいくつかあります。もしそれをしてしまうと、お客様をさらに怒らせたり、話を長引かせたりする可能性が高いからです。ここからはクレーム対応の際のNG行動について解説します。
お客様を否定する
クレーム対応の際もっともやってはいけないことは、お客様の言動を否定することです。冷静なときでも、自分の言動が否定されるのは気持ちがよいものではありません。不満を感じてクレームを言いに来ているお客様ならなおさらでしょう。お客様の言い分を否定するとお客様の気分をさらに害してしまいます。お客様の言い分は否定せず最後まで聞くことが大事です。
また同じことを言う場合でも、言葉は肯定的なものを選ぶように心がけましょう。お客様の側に非があったとしても、それをそのまま指摘してはいけません。「説明がわかりにくく申し訳ありませんでした」というように、お客様側の非ではないという表現をすれば、お客様の気分を害さずに済みます。後で冷静になれば、お客様も自分に非がある場合はそのことに気づくでしょう。自分が悪かったのに責められなかったことに気づけば、クレームから一転、よい印象が残ることになります。
話を途中で遮る
クレームを言いに来ているお客様は、ただでさえお店や従業員に対して不満を抱いている状態です。そのような中でお客様の話を途中で遮ってしまうと、さらに不愉快な思いをさせることになります。それでは火に油を注ぐ様なもので、話をこじらせ長引かせるだけです。途中で言いたいことがあっても我慢して、まずはお客様の話を最後まで聞くようにしましょう。すべての話が終わり次第、お客様の対応に移るようにします。お客様には自分の言い分をすべて吐き出してもらい、少しでも早く冷静になってもらうことが大切です。そうすることが早い解決につながります。
お客様を待たせる
お客様のクレーム対応は、迅速さが重要です。怒っているお客様を待たせてしまうと、さらに機嫌を損ねることになりかねません。きちんと対応できていれば、時間の経過とともにお客様の怒りは鎮まり、冷静になってもらえます。しかし、きちんとした対応をせず放置してしまうと、その間お客様の怒りは増幅するばかりです。そのような状態でお客様から言い分を聞き出そうとしても時間がかかり、解決策を提案してもなかなか聞き入れてはもらえないでしょう。
少しでもお客様を待たせてしまった場合は、必ず「大変お待たせいたしました」などの一言を添えるようにしましょう。もし、回答までに時間がかかる場合は、いつ回答できるのかを具体的に示し、安心してもらうことが大事です。
4.悪質クレーマーへの対処方法
悪質なクレーマーに対しては、あらかじめどのような対処をするか、会社で対処方法を定めておくと、いざという時慌てずに済みます。まず、クレームの内容は記録することが重要です。きちんと記録に残しておけば、後でつじつまが合うかどうか確認できます。もしつじつまが合わない場合は証拠となるので安心です。クレームの内容が犯罪に問われるような場合は、自分たちだけで解決しようとせず、弁護士などを通し法的な対応を取るようにしましょう。また、悪質なクレーマーの情報は他の店舗との共有も必要です。できるだけ早く他の店舗にも報告するようにしましょう。