チームビルディング研修の実施により、チーム内の団結力向上やコミュニケーションの活性化が期待できます。企業によっては、協調性の乱れや、コミュニケーションが希薄化しているなどの問題もあるでしょう。また、テクノロジーの発達やリモートワークの浸透を背景に、社員同士に距離感が生じている企業もあるかもしれません。そこで、本記事では一体感のあるチームづくりに欠かせないチームビルディング研修について紹介します。
1.そもそもチームビルディングとは?
チームビルディングとは、それぞれの社員自身が持っているスキルや才能を発揮しながら、目標達成につながるチームをつくる取り組みです。チームは個人の集合体ですから、チーム結成当初から意思統一するのは簡単ではありません。みんなが同じ思考で行動できるまでには時間を要しますが、それでいいのです。チームビルディングは、対立や衝突が起こっても対話により乗り越え、多様性を認めたうえでチームとして成長することが重要です。
2.チームビルディング研修の目的
チームビルディング研修の目的は、大きく分けると3つあります。
①コミュニケーションの活性化
チームビルディング研修の目的のなかで、コミュニケーションの活性化は基本であり肝となります。たとえば、メンバー同士の気心が知れていないなどの理由によって活発な話し合いが生まれにくい環境では、チームとしての成果をあげるのは難しくなり、何をするにも上手くいかなくなってしまいます。コミュニケーションの活性化によってお互いを理解することができ、意義のある対話がしやすくなった結果、一体感のある組織が形成されるなどのケースが多いです。
②チームのパフォーマンスと生産性の向上
チーム内の一人ひとりが自分の役割を認識したうえでチームに参加することにより、無駄な業務の削減や生産性の向上に繋がり、効果的で効率性の高い組織をつくることができます。
③会社のビジョンの浸透
既存社員は会社が進むべき方向性を理解しているはずなので、既存社員よりも新入社員や内定者に対してのチームビルディング研修がおすすめです。自社の存在意義や中長期目標なども交えて落とし込むと良いでしょう。
3.タックマンモデルとは?チームビルディング理論を知ろう!
チームビルディング研修の導入を検討するなら「タックマンモデル」を押さえておく必要があります。心理学者のブルース.W.タックマンによって提唱された理論で、チームの成長段階について以下のように説明されています。
・形成期
チームビルディングの初期段階となる形成期は、お互いをあまり知らない状態です。何かをしようとしても、緊張感や遠慮があって主体的に進めることは難しいでしょう。目指すべき方向性について共有できていない状態でもあるため、形成期の段階でメンバーの性格や思考を把握できるように、チームリーダーが率先して行動する必要があります。
・混乱期
チームの目的や目標が決定され実際に動き始める段階です。メンバー同士の意見の食い違いによって対立が起こりやすい時期でもあり、チームリーダーが頭を悩ます場面も多くなる傾向にあります。目標に対しての考え方や言葉の使い方など些細なことが衝突の原因になるケースが多いですが、混乱期を乗り越えなければ次のステップに進めないので、徹底的に対話をする時間を設けるようにしましょう。
・統一期
メンバー同士を理解してチームとしてまとまった段階で、ここまで来ればチーム全体が目標をしっかりと見定められるようになり、個々の役割も認識が深まっています。議論をする際もゴールが明確になっているため、よりよい成果を上げるための話し合いになるのが一般的です。チームリーダーとしては、メンバーの進捗管理やフォローを行なうのが主なタスクになります。
・機能期
チーム内の人員が目標に向かって主体的に行動できるのが機能期です。自発的な行動に加えて周囲のサポートもできる段階に入っているので、チーム全体のパフォーマンスが高まりやすくなります。一方で、なれ合いの雰囲気が生まれやすい時期でもあるので、定性的なチェックは継続して行う必要があるでしょう。
・散会期
目標の達成や期間の終了によってチームが解散となるのが散会期です。チームの成果に喜び、メンバーを称える社員がいたり、解散を惜しむ社員がいたりするようなら、チームビルディングは成功したと言えます。チームのメンバーだった社員のなかには、新たなチームに参加したり、高みを目指して退職や異動を希望したりする人もいます。
4.チームビルディング研修を実施する際のポイント
チームビルディング研修の基本を理解したところで、次は研修を実施する際のポイントを押さえておきましょう。
4-1.対話を重視する
チームビルディング研修では、どの段階でも話し合いをする機会が多く、討論になることもあります。ディスカッションという形になってしまうと、相手を論破して納得させようという思いが生じるものですが、こういった行為はチームビルディングには必要ありません。優先順位が高いのは、メンバーの気持ちや立場を理解する対話です。また、感情的な討論に発展しないように、中立的な目線で場をまとめてくれる進行役の存在も欠かせません。
4-2.研修を振り返りビジネスに活かす
研修による成果にかかわらず、研修が一通り終わるころには振り返りが重要です。何となく研修が終わってしまい、振り返りが行なわれないケースには2つの問題点があります。
①研修参加者から感想を吸い上げられないため今後の研修の改善点が見つからない
②参加者に対して適切なフィードバックが行なわれず、自分自身の強みや弱みを理解できない
これでは、社員の成長につながりません。振り返りを行う際は、研修の参加者同士で積極的に対話させて情報を共有することが大切です。これによって研修の問題点が明確になり、次回のチームビルディング研修に活かせます。
また、参加者自身の分析が可能になるうえに、今後のビジネスシーンで強みをどのように活かせるかが気づけるはずです。
5.研修の内容は?具体例を紹介!
チームビルディング研修でチームに一体感が生まれるようにするために、以下のような研修を取り入れている企業が多い傾向にあります。
・ワークショップ
工作や料理などの課題を与え、計画から完成までチームで取り組む研修です。完成までのプロセスでコミュニケーション力や協調性が身につきます。
・チームプレイで行うゲーム
協力プレイが必要なゲームを行ない、ゴールや勝利を目指す研修です。チームにおける役割分担を理解して行動できる力を養えます。
・屋外研修
コミュニケーションが必要なアスレチックや軽いスポーツなどを使った研修です。特に、オフィスワークがメインの職場ほど、コミュニケーション力が高まる期待があります。
・合宿研修
数日間に渡る共同体験を通してチームワークを深める研修です。チーム内の距離感を縮めるのに効果的です。
6.オンラインのチームビルディング研修の特徴
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにビジネスのあり方が大きく変わり、多くの業務がオンライン化されるようになりました。以前からオンラインで行われる研修もありましたが、コロナの影響を経て拍車がかかってきたように思えます。チームビルディング研修においてもオンライン化が進むようになり、効率的で効果の高い研修ができているケースも多いです。
オンライン研修の特徴は、参加者が平等に発言しやすいことが挙げられます。自己主張が苦手な人ほど対面式のオフライン研修では発言しにくいものの、非対面式のオンライン研修では発言しやすい傾向にあります。
そして、オンライン研修は参加者の存在感が座席の配置に影響されないため、個々の発言が尊重されやすいのも特徴です。また、合宿研修のような費用がかからないため、参加者の費用負担を抑えられるほか、人材育成コストを抑えたい企業にもメリットがあります。オンライン研修を実施するポイントとしては、研修を受ける個々人に通信環境を整備してもらい、必要に応じて企業側がサポートを行うことです。また、オンライン研修は参加者の集中力が切れやすいというデメリットがあるため、双方向の積極的なコミュニケーションが取れる構成にしましょう。
オンライン研修のコンテンツには、チームビルディング研修用のゲームや、H&Gが提供する「GA LIVE+」のようなオンラインLIVE研修を活用したディスカッションなどもあり、企業ごとの需要にマッチしたサービスを利用できます。
GA LIVE+では、「チームビルディング(チーム形成)」というクラスで、チームメンバー・チームリーダーそれぞれに必要なスキルや、チームワークの高め方を伝える講座を開設しています。講座内容が気になる方は、ぜひ以下より講座内容をご確認ください。また、対面型研修サービス「GA Premium」でもチームの一員として、メンバーシップを発揮するためのスキルを習得できる講座を行っています。併せてご検討ください。
まとめ:オンライン研修で効果的なチームビルディングを
チームビルディング研修は社内のコミュニケーションを活性化させ、一体感のある職場環境をつくるのに効果的です。しかし、研修の担当者がいなかったり、時間を取れなかったりする企業もあるかもしれません。そこでおすすめしたいのが「GA LIVE+」です。チームメンバーやチームリーダーの視点から、それぞれチームビルディングの手法をオンライン研修で学ぶことが可能です。また、貴社の人材育成の課題に合わせてカスタマイズした研修を受講いただける出張研修サービス「IN-HOUSE TRAINING(インハウストレーニング)」もおすすめです。