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- 【第1弾】カスハラ問題に積極的に取り組む!効果的な対応マニュアルの作成方法と企業が取り組むべき対策を解説
カスタマーハラスメント(カスハラ)は近年深刻な問題となっています。従業員のメンタルヘルスに大きな影響を及ぼし、企業経営にも悪影響を与えます。企業がカスハラ対応マニュアルを作成し、適切な対応を取ることが重要です。本記事ではカスハラの実態と対策について詳しく解説していきます。
目次 クリックすると詳細を表示・非表示できます
- 1.カスハラの実態と影響
- 1-1.カスハラの定義
- 1-2.カスハラとクレームの違い
- 1-3.カスハラの具体的な事例と被害の実態
- 1-4.カスハラがもたらす従業員へのメンタルヘルスへの影響
- 2.カスハラ対応マニュアルの必要性
- 2-1.カスハラ対応マニュアルとは何か
- 2-2.カスハラ対応マニュアルの目的と効果
- 2-3.カスハラ対応マニュアルの導入事例
- 3.カスハラ対応マニュアルの作成方法
- 3-1.カスハラ対応マニュアルに盛り込むべき内容
- 3-2.カスハラ対応のフローチャートの作成方法
- 3-3.エスカレーション体制の明記
- 4.企業が取り組むべき対策
- 5.おわりに
- カスハラにお悩みならH&Gのハラスメント研修
1.カスハラの実態と影響
1-1.カスハラの定義
カスハラとは、顧客や取引先から従業員に対して行われる悪質なクレームや暴言、暴力行為などを指します。一般的なクレームとは異なり、人格を否定するような言動が特徴です。職場におけるハラスメントの一種として認識されるようになりました。
1-2.カスハラとクレームの違い
カスハラとクレームは明確に区別する必要があります。クレームは商品やサービスに対する不満を表明するものですが、カスハラは従業員個人への攻撃的な言動を伴います。クレームは企業の改善につながる場合がある一方、カスハラは従業員のメンタルヘルスを損ない、企業にとってマイナスになります。
クレーム対応について、以下の記事で詳しく紹介しています。
1-3.カスハラの具体的な事例と被害の実態
カスハラの具体例としては、「無能だ」「お前のような人間は不要だ」などの暴言や、物を投げつける、殴る蹴るなどの暴力行為が挙げられます。サービス業や小売業、飲食業などの対人業種で多く発生しています。被害を受けた従業員の中にはストレス過多で体調を崩し、退職に追い込まれるケースもあります。
1-4.カスハラがもたらす従業員へのメンタルヘルスへの影響
カスハラは従業員のメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼします。自己肯定感の低下やストレス、不安、恐怖心などを引き起こし、うつ病などの心の病につながることもあります。また、カスハラによる精神的ダメージは仕事のパフォーマンス低下を招き、企業の生産性や業績にも悪影響を与えます。
2.カスハラ対応マニュアルの必要性
2-1.カスハラ対応マニュアルとは何か
カスハラ対応マニュアルとは、カスハラが発生した際の対応方法や手順を定めた文書です。具体的には、カスハラの定義や事例、対応のフローチャート、エスカレーション体制などが記載されています。従業員が適切な対応を取れるようにするための指針となります。
2-2.カスハラ対応マニュアルの目的と効果
カスハラ対応マニュアルの目的は、従業員を守り、企業の損失を最小限に抑えることです。マニュアルに沿って対応することで、従業員は安心して業務に取り組むことができます。また、企業としてカスハラに毅然とした態度で臨む姿勢を示すことで、カスハラ防止にもつながります。
2-3.カスハラ対応マニュアルの導入事例
ヤマト運輸株式会社は、カスハラ対策として、社員を守るための取り組みを開始しました。コールセンターで繰り返される暴言や理不尽な要求に対応するため、カスハラ発言リストを作成し、マニュアルや研修を通じて社員に対策を周知しています。マニュアルでは、発言に応じた対応フローやお客様への伝え方の文言集を提供し、社員が冷静かつ毅然と対応できるよう支援しています。さらに、カスハラ被害を受けた社員の相談を受け付ける専用窓口を設け、OJTによるアドバイスや全社での情報共有を行い、全てのコールセンターが統一した対応を取る体制を整えています。この取り組みにより、カスハラの概念が社内に浸透し、社員の健全な業務環境を守ることに繋がりました。
参照:社員の健全な業務を守るため、カスハラ対策の取組を始動(厚生労働省)
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/customers-measures/archives/1>https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/customers-measures/archives/1″>https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/customers-measures/archives/1
3.カスハラ対応マニュアルの作成方法
具体例と法的解釈を通じて、ハラスメントがコンプライアンス違反となる過程とその影響を説明します。
3-1.カスハラ対応マニュアルに盛り込むべき内容
カスハラ対応マニュアルには以下の内容を盛り込むことが重要です。
・カスハラの定義と具体例
・カスハラ発生時の対応手順
・エスカレーション体制
・関連法規や罰則規定
・従業員への教育
・研修計画
これらを明確に定めることで、従業員は迅速かつ適切な対応を取ることができます。
3-2.カスハラ対応のフローチャートの作成方法
カスハラ対応のフローチャートは、カスハラ発生時の一連の流れを視覚的に表現したものです。 まず、カスハラの判断基準を明確にし、該当する場合の対応手順を矢印で示していきます。 従業員の安全確保を最優先とし、上司への報告や警察への通報などの手順も盛り込みます。 具体的には、以下のような手順をフローチャートに盛り込むことが効果的です。
ステップ1:カスハラの判断基準の明確化
・暴言、暴力、セクハラ、人格否定など、カスハラに該当する言動をリスト化します。
・判断に迷う場合の相談先(上司、人事部門など)も明記します。
ステップ2:従業員の安全確保
・カスハラが発生した場合、まず従業員の安全を最優先に考えます。
・暴力行為があった場合は、直ちに避難や警察への通報を行います。
・暴言などの場合も、従業員の心身の安全を確保するために、一時的に現場を離れることを検討します。
ステップ3:上司への報告
・カスハラが発生した際は、速やかに上司に報告します。
・報告の方法(口頭、書面など)や報告先(直属の上司、人事部門など)を明確にしておきます。
・報告の際は、事実関係を正確に伝えることが重要です。
ステップ4:事実関係の確認
・上司は報告を受けた後、事実関係の確認を行います。
・目撃者からの聞き取りや、防犯カメラの確認などを行い、客観的な事実を把握します。
・事実関係の確認には、複数の管理職が関与することが望ましいです。
ステップ5:警察への通報
・暴力行為やストーカー行為など、犯罪に該当する可能性がある場合は、警察に通報します。
・通報の基準や方法を明確にしておくことが重要です。
・警察との連携体制を構築しておくことも有効です。
ステップ6:法的措置の検討
・カスハラが悪質な場合は、法的措置を検討します。
・弁護士に相談し、損害賠償請求や刑事告訴などの可能性を探ります。
・法的措置に踏み切る基準を明確にしておくことが重要です。
ステップ7:カスハラ防止策の強化
・カスハラ対応を通じて明らかになった課題を洗い出し、再発防止策を講じます。
・従業員教育の強化、マニュアルの改訂、店舗設備の改善などを検討します。
・カスハラ防止策の PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ります。
以上のような手順をフローチャートに落とし込むことで、従業員は迅速かつ的確なカスハラ対応を取ることができます。 また、フローチャートは定期的に見直し、実態に合わせて改訂していくことが重要です。
3-3.エスカレーション体制の明記
カスハラが深刻な場合や、従業員だけでは対応が難しい場合に備え、エスカレーション体制を明記しておくことが重要です。 具体的には、上司や人事部門、法務部門への報告・相談の手順を定めます。 必要に応じて警察や弁護士などの外部機関との連携も視野に入れておきます。 エスカレーション体制を整備することで、従業員は安心して対応にあたることができます。
エスカレーション体制の構築にあたっては、以下の点に留意することが重要です。
1:報告・相談先の明確化
・カスハラ発生時の報告・相談先を明確にしておきます。
・直属の上司、人事部門、法務部門など、状況に応じた適切な報告先を定めます。
・夜間や休日など、通常の報告先につながらない場合の対応も検討しておきます。
2:報告・相談方法の明確化
・報告・相談の方法を明確にしておきます。
・口頭、書面、メール、専用フォームなど、状況に応じた適切な方法を定めます。
・報告・相談の際に必要な情報(日時、場所、内容など)も明記しておきます。
3:外部機関との連携体制の構築
・警察や弁護士など、外部機関との連携体制を構築しておきます。
・緊急時の連絡先や、相談窓口の設置など、具体的な連携方法を定めます。
・外部機関との定期的な情報交換や、合同研修の実施なども検討します。
4:エスカレーション基準の明確化
・どのような場合にエスカレーションを行うのか、基準を明確にしておきます。
・暴力行為があった場合や、カスハラが悪質・常習的な場合など、具体的な基準を定めます。
・エスカレーション基準は、定期的に見直し、実態に合わせて改訂していくことが重要です。
5:エスカレーション後の対応方針の明確化
・エスカレーション後の対応方針を明確にしておきます。
・事実関係の確認、加害者への対応、被害者のケア、再発防止策の検討など、具体的な方針を定めます。
・エスカレーション後の対応は、関係部門が連携して行うことが重要です。
6:エスカレーション体制の周知徹底
・エスカレーション体制を従業員に周知徹底することが重要です。
・研修や勉強会の実施、マニュアルの配布など、効果的な周知方法を検討します。
・エスカレーション体制の理解度を確認するための定期的なテストや、アンケートの実施なども有効です。
エスカレーション体制を整備し、従業員に周知徹底することで、カスハラ対応の実効性を高めることができます。また、エスカレーション体制は定期的に見直し、実態に合わせて改善していきましょう。
4.企業が取り組むべき対策
4-1.従業員教育
カスハラ防止のためには、従業員教育が欠かせません。カスハラの定義や対応方法について、定期的な研修を実施することが重要です。ロールプレイングなどを取り入れ、実践的なスキルを身につけさせることも効果的です。また、カスハラを許さない企業文化を醸成するためにも、継続的な教育が必要です。
4-2.相談窓口の設置
カスハラを受けた従業員が安心して相談できる窓口を設置することが重要です。人事部門や外部の専門機関と連携し、秘密厳守で対応にあたります。相談窓口の存在を従業員に周知し、利用しやすい環境を整えることが大切です。早期の相談・対応により、深刻な被害を未然に防ぐことができます。
5.おわりに
カスハラは従業員のメンタルヘルスを脅かし、企業経営にも大きな損失をもたらします。本記事で解説したように、カスハラ対応マニュアルの作成と従業員教育、相談窓口の設置などの対策を講じることが重要です。カスハラを許さない企業文化を醸成し、従業員が安心して働ける職場環境を整備することが求められます。企業としてカスハラ問題に真摯に取り組み、従業員の健康と尊厳を守っていくことが必要不可欠です。
カスハラにお悩みならH&Gのハラスメント研修
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