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- 【管理職】マネジメント力とは?必要なスキルや能力の高め方教えます!
管理職やマネージャー職に就いている方なら、「自分のマネジメント力を高めたい」と思ったことが一度や二度はあるのではないでしょうか。しかし、何をどのようにすれば高まるのかがわからず、結局何もせずに放ったままになっている方もいるはずです。そこで、この記事ではマネジメント力とはそもそもどのような力なのかを説明しつつ、具体的な鍛え方についても解説します。
1.マネジメント力とは
マネジメントとは、「経営」や「管理」といった意味を持つ英語です。そのため、マネジメント力を文字通り解釈するなら、「経営や組織管理に必要な能力」ということになるでしょう。しかし、マネジメント力という言葉が使われるのは、ほとんどがビジネスの場です。経営や組織管理に必要な能力では、意味が広すぎて実際に何を指しているのかよくわかりません。もう少し具体的な定義はないのか探してみましょう。
「マネジメント」という概念を初めてビジネスの場に持ち込んだのは、アメリカの経営学者ピーター・F・ドラッカーです。彼は、著書『マネジメント』の中で「マネジメントとは組織に成果を上げさせるための道具であり、機能であり、機関である」と定義しました。組織の目標は、成果を最大化することです。「ビジネス上の目的を達成するためには、ヒト、モノ、カネ・情報といった経営資源を効果的に活用することが必要」と、彼は著書の中で説いています。
ビジネスにおいてマネジメントの対象は、人とばかりではなく組織のときもあるでしょう。つまり、マネジメント力が及ぶのは、自分が責任を持っている範囲全体です。「組織の目標や目的を達成するためには何が必要なのか」を見極めなければなりません。目標・目的達成のために、必要な要素を適切に分析・管理する能力、それを活かして集団活動を維持・促進する能力がマネジメント力といえるでしょう。
ちなみに、似たような意味で使われる言葉には「リーダーシップ」もあります。リーダーシップは、特定のビジョンに対して「チームをどの方向へ導くのか」という点が重視されるものです。一方でマネジメントは、メンバー一人ひとりを細かく見なければなりません。「誰にいつ何をどのようにさせるのが組織にとって最適なのか」といったきめ細かい戦略が必要です。リーダーシップは「定性的」、マネジメントは「定量的」といえばわかりやすいのではないでしょうか。多様な人材が活躍しやすい環境をつくり、人と人を結び付けて生産性を向上させることができる力がマネジメント力なのです。
▼リーダーシップとマネジメントの違いは、以下の記事も参考にしてください。
2.マネジメント力が高い人・低い人の特徴
マネジメント力がどのようなものなのかがわかったところで、今度はマネジメント力の高い人と低い人の違いについて見ていきましょう。これを知ることによって、自分のマネジメント力が高い方なのか低い方なのか見当が付くはずです。自分にとって何が課題なのかも見えてくるでしょう。元々マネジメント力の高い人とそれほど高くない人とでは、鍛えなければならない点が異なります。効率よく鍛えるためにも、きちんとそれぞれの特徴をつかんでおきましょう。
マネジメント力が高い人の特徴
マネジメント力が高い人の特徴は、「マルチタスクで仕事ができること」「物事をよく観察して本質を見抜けること」「人を動かせること」の3点です。マネジメントを任された人は、自分自身の仕事をしながら、同時に部下など他の人の仕事も見なければなりません。そのためには、複数の作業を同時進行できることは最低限必要な能力といえるでしょう。また、組織が目標を達成するためには、「何をすればよいのか」「誰に何を任せればよいのか」について的確に判断することも必要です。そのうえで仕事を割り振り、それぞれにきちんと役割を果たしてもらうことが重要なポイントになります。これら3つのポイントはどれか1つ欠けてもうまくいきません。すべての要素をあわせ持って、はじめてマネジメント能力の高い人材であるといえます。
マネジメント力が低い人の特徴
マネジメント力が低い人はその逆です。「マルチタスクが苦手」「洞察力に乏しく自分の物差しで考えがち」「リーダーシップが発揮できない」という特徴があります。マネジメント力が低い人は、マネジメントを単に部下を管理することだと捉えがちです。そのため、部下の適性を見極めることができず、持ち味も活かせません。部下に仕事を任せず、すべて自分だけで片づけてしまうような人もマネジメント力が低い上司の典型です。3つの要素すべてがあてはまらなくても、どれか1つでもあてはまれば、マネジメント能力は低くなる可能性があります。思い当たる点がある人は、注意しましょう。
3.マネジメントに必要なスキル
実現可能な目標設定・管理
マネジメントには、実現可能な目標を設定し、スケジュール管理するスキルが必要です。実現できない目標設定は、すべての人の努力を無駄にしてしまいます。そのような目標ばかり設定するようでは、部下が信じて協力してくれるわけがありません。逆に、努力次第で実現できる目標を設定すれば、部下は目標達成を目指して全力で取り組むことができます。きちんとスケジュールを管理し、目標達成まで導けば、部下はそれ以降も信頼してついてくることが期待できるでしょう。
適切な牽引・指導
マネジメントを任される立場なら、チームの方向性を決めて引っ張っていくリーダーシップも当然必要です。しかし、それだけでは足りません。部下に寄り添ったサポートやフィードバックができる指導力は重要なポイントになるでしょう。強い力で周りを引っ張っていくだけでなく、部下の力も引き出すことができてはじめてマネジメントといえます。
▼部下育成について、詳しくは以下の記事も参考にしてください。
状況把握・対応
現状を正確に分析し、結果に応じて柔軟に対応・判断する能力も求められるでしょう。最高のパフォーマンスを導き出すためには、論理的な思考と周りの動向を見極める洞察力が必要です。さらに、周囲を納得させることができる高いプレゼンテーション能力や、議論の場を整え、円滑に進行するファシリテーション能力も欠かせません。
マネジメントは、これらの力を総合的に活用して行うものなのです。
4.マネジメント力を高める方法
マネジメント力は、1つのスキルを鍛えるだけでは十分とはいえません。とはいえ、必要なスキルを一度にすべて鍛えるのは困難です。そこで、4つの分野に分けて、それぞれのスキルを高める方法を紹介します。
現状の分析力と問題解決能力の向上
まず、現状の分析力と問題解決能力を高めるのに役立つのが、「ディズニーストラテジー」という方法です。ウォルト・ディズニーがアニメーション制作の夢を実現する際にとった方法なので、このような名前で呼ばれています。この方法のポイントは「ドリーマー」「リアリスト」「クリティック」という3つの視点を持つことです。ドリーマーは、現実に捉われない広い視野を意味します。夢を語るように長期的な戦略を立てる段階です。リアリストは、夢の実現に向け、方法を具体的に計画していく際の視点になります。クリティックは、夢を実現させるうえでの問題点やリスクに向ける視点です。マイナス面にも目を向け、解決することによって夢を現実に近づけます。
プロジェクトマネジメント力の向上
プロジェクトマネジメント力を高めるためには、通常とは別の立場に立って物事を見る「ポジションチェンジ」という方法が有効です。例えば、商品開発をする際、自社の社員としての視点だけではなく、顧客の視点でも見てみたら、優先して開発すべき点が見えてくる可能性が高まります。上司としての視点ではなく、部下の視点で自分が設定した目標を見直してみたら、無理な点がはっきりする可能性もあるでしょう。
リーダーシップや意思決定力の向上
リーダーシップや意思決定力を高めるためには、部下や周囲の人の意見にしっかりと耳を傾けることが大切です。いろいろな人の意見を聞いたうえで、何が正しいかを判断するようにすれば、独断で間違った判断をしてしまうミスを防げます。また、リーダーという肩書きに奢ることなく、新しい知識をインプットしたり、研究したりすることも大切です。知ったかぶりは、信用を失うことにもつながります。わからないことはきちんと調べて、新たな知識として蓄えましょう。
コミュニケーションスキルやコーチングスキルの向上
コミュニケーションスキルやコーチングスキルを高める方法は「ペーシング」「ノンバーバルコミュニケーション」「アクノレッジメント」という3つです。ペーシングとは、相手をよく観察し会話のペースを合わせることをいいます。ノンバーバルコミュニケーションは、ジェスチャーや表情など、言語以外によるコミュニケーションのことです。アクノレッジメントは、相手の存在を認め、思いを尊重し受け止めることを意味します。普段からこれらを意識しながら話せば、コミュニケーションスキルやコーチングスキルの向上につながるでしょう。
5.マネジメント力を効果的に高めよう!
この記事では、マネジメント力とは何かを説明し、必要なスキルの磨き方について紹介しました。徹底的に力をつけたい場合は、外部の講座を受講するのもおすすめです。例えば、グローイング・アカデミーの定額制人財研修やオンデマンド型研修は、実際の現場で部下を育成した経験を持つ講師陣による、質の高い講座です。資料請求や、無料の研修見学も行われているので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。