社員満足度向上は企業成長のカギ!戦略的人材育成との関係性を解説

「企業は人なり」という言葉があるように、企業の成長は社員一人ひとりの力によって支えられています。しかし、社員のモチベーションが低く、会社へのエンゲージメントが低い状態では、企業の成長はおろか、事業の維持すら危ぶまれる可能性があります。社員が最大限に能力を発揮し、企業の成長に貢献するためには、社員満足度を高めることが不可欠です。本記事では、社員満足度と企業成長の関係性について掘り下げ、企業が取り組むべき具体的な施策や考え方について解説していきます。

1.社員満足度と企業成長の関係

社員満足度とは、社員が企業や仕事に対してどの程度満足感や幸福感を感じているかを表す指標です。社員満足度が高い状態は、社員一人ひとりが自らの仕事にやりがいを感じ、企業への貢献意欲も高まっている状態と言えるでしょう。

1-1.社員満足度が企業成長に与える影響

社員満足度が高い企業は、そうでない企業と比較して、業績向上や顧客満足度向上を実現しているケースが多く見られます。これは、社員のモチベーション向上やエンゲージメント向上が、顧客に対するサービス向上や業務効率化、ひいては企業の収益拡大に繋がっているためと考えられます。

生産性向上とエンゲージメントの関連性

社員満足度が高いと、社員は自らの仕事に誇りや責任感を持つようになり、より質の高い仕事を目指そうとします。また、職場の同僚との良好な関係性も構築されやすくなるため、チームワークが向上し、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。

離職率低下による人材定着とコスト削減

社員満足度が高い企業では、社員が定着しやすく、離職率が低くなる傾向があります。離職率の低下は、採用や教育にかかるコスト削減に繋がるだけでなく、優秀な人材の流出を防ぎ、企業の競争力維持にも貢献します。

企業文化の醸成と働きやすい環境づくり

社員満足度が高い企業は、社員が働きやすい環境づくりに力を入れています。社員が自分の仕事に誇りを持ち、互いに尊重し合える企業文化を醸成することで、社員のモチベーションを高めることができます。また、働きやすい環境を整備することで、社員のストレスを軽減し、心身の健康を維持することができます。結果として、生産性の向上や離職率の低下につながります。

2.戦略的人材育成の必要性

企業の成長には、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出す戦略的人材育成が欠かせません。社員が成長を実感し、将来のキャリアプランを描くことができる環境を整えることが、社員満足度向上に繋がります。

2-1.スキルアップ支援とキャリア開発支援の重要性

社員のスキルアップやキャリア開発を支援することは、社員の成長意欲を高め、企業への貢献意欲を高める効果があります。社員が自らの市場価値を高めることができるよう、研修制度や資格取得支援制度など、具体的な支援策を導入することが重要です。

2-2.適材適所の配置とモチベーション向上の関係性

社員の個性や強みを活かせるよう、適材適所に配置することは、社員のモチベーション向上に大きく貢献します。定期的な面談や人事評価制度を通じて、社員の希望や適性を把握し、適切な配置やジョブローテーションを実施していくことが重要です。

2-3.フィードバックの重要性と評価・処遇への反映

社員に対して、業務における成果や課題点について定期的にフィードバックすることは、社員の成長を促す上で非常に重要です。また、フィードバックの内容を評価や処遇に反映することで、社員の努力を正当に評価し、更なるモチベーション向上に繋げることが可能となります。

3.社員満足度を高める具体的な取り組み事例

ここからは、実際に企業が取り組んでいる、社員満足度を高めるための具体的な取り組み事例をいくつかご紹介します。

3-1.コミュニケーション活性化のためのチームビルディング活動

社員同士のコミュニケーションを活性化するために、部署の垣根を越えたチームビルディング活動を取り入れる企業が増えています。例えば、社員旅行や社内イベントを開催することで、普段の業務とは異なる環境で社員同士が交流する機会を設けることができます。また、部署間の交流を促進するために、異業種交流会を開催することも有効です。コミュニケーションが活発になることで、業務の効率化やアイデアの創出につながります。

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3-2.ワークライフバランス実現に向けた取り組み

仕事とプライベートの調和を重視する社員が増えている中、ワークライフバランス実現に向けた取り組みは、社員満足度向上に欠かせない要素となっています。フレックスタイム制やリモートワーク制度、時短勤務制度など、社員が柔軟な働き方を選択できる制度を導入することで、社員の仕事への集中力向上やストレス軽減に繋げることができます。

3-3.社員の自主性を尊重する風土づくり

社員一人ひとりが自発的に行動し、責任感を持って仕事に取り組めるよう、社員の自主性を尊重する風土づくりも重要です。例えば、社員の提案を積極的に取り入れる制度を設けることで、社員が自分の意見を言いやすい環境を整備することができます。また、失敗を許容する文化を醸成することで、社員が新しいことにチャレンジしやすくなります。社員の自主性が尊重されることで、仕事に対するやりがいを感じることができます。

3-4.経営層と現場の意思疎通を図る施策

経営層と現場社員との間で、スムーズな意思疎通を図ることも、社員満足度向上には欠かせません。社内報やイントラネットを活用した情報共有、経営層による現場訪問、社員からの意見交換会などを通じて、双方向のコミュニケーションを活性化させることが重要です。経営層と現場の意思疎通が図られることで、社員が会社に対する信頼感を持つことができます。

4.社員満足度向上のための施策を検討する上でのポイント

社員満足度を高めるためには、上記の取り組み事例を参考に、自社の課題や状況に合わせた施策を選定していくことが重要です。

4-1.自社の課題や状況に合わせた施策選定

社員満足度向上のための施策は、画一的なものではなく、企業の規模や業種、抱えている課題によって最適なものが異なります。そのため、まずは自社の現状を把握し、課題やニーズを明確にすることが重要です。また、施策の効果を定期的に検証し、必要に応じて改善を行うことも欠かせません。

4-2.効果的な社員満足度調査の実施方法、分析方法を選ぶ

自社の課題を把握するためには、
社員満足度調査を実施
し、社員の意見や考えを収集することが有効です。アンケート調査やグループインタビューなどを実施し、社員がどのような点に不満を感じているのか、どのような制度や環境を求めているのかを分析します。分析結果に基づいて、具体的な施策を検討していくことが重要です。

4-3.外部の専門家やコンサルタントの活用

自社だけで社員満足度向上のための施策を検討することが難しい場合は、外部の専門家やコンサルタントの活用も検討しましょう。豊富な知識や経験を持つ専門家やコンサルタントは、他社の事例や最新のトレンドを把握しているため、自社の課題に合わせた適切なアドバイスをしてくれます。また、客観的な視点から自社の課題を指摘してくれるため、内部の人間だけでは気づきにくい点を発見することができます。

5.事例紹介

ここでは、社員満足度向上のための取り組みを成功させている企業の事例を3つご紹介します。

5-1.サイボウズ株式会社のワークライフバランス改善

「100人いたら100通りの働き方」を掲げ、多様な働き方を導入した結果、サイボウズ株式会社では離職率が28%から4%前後に改善しました。

主な取り組みには以下が含まれます。


・育児・介護のための短時間勤務制度
・勤務時間や場所を社員が選べる「働き方宣言制度」
・在宅勤務制度の充実(単発利用も可)
・留学や転職後も復職可能な「育自分休暇制度」
・副業の自由化
・必要に応じた「子連れ出勤制度」

これらにより、従業員満足度が向上し、離職率も大きく改善しました。

参照:サイボウズ「ワークスタイルー多様な働き方へのチャレンジ」
https://cybozu.co.jp/company/work-style/

5-2.株式会社メルカリのユニークな福利厚生制度

メルカリは、ライフステージの変化に応じた福利厚生を提供し、従業員が仕事で高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えています。主な取り組みは以下の通りです。


・フレックスタイム制、リラックス休暇(年3日)
・副業推奨と自動販売機ドリンク無料
・有料セミナーや語学学習料の補助
・産休・育休・介護休業時の復職一時金支援、育休・産休中の給与100%保障
・認可外保育園の保育料補助と妊活サポート

これにより、プライベートを充実させ、従業員が大変な時期に精神的なサポートを受ける体制が整っています。

参照:株式会社メルカリ採用サイト「働き方」
https://careers.mercari.com/benefits/

5-3.株式会社ディー・エヌ・エーの人事制度「シェイクハンズ」

株式会社ディー・エヌ・エーは、社員が自己の希望に沿ったキャリアを実現できるよう、「シェイクハンズ」という人事制度を導入しています。この制度では、上司や人事の承認なしで希望部署に異動できる仕組みを整え、全ポジションを公開し、社員がエントリーしやすくしています。主な取り組みは以下の通りです。


・上司の承認なく異動申請が可能
・全ポジションを公開し、社内Webからエントリー可能
・キャリア相談をサポートする人事とのキャリア相談室を開設

制度導入から約3カ月で20件を超える異動が実現し、社員が自ら希望する職場で力を発揮できる環境が整いました。また、部署異動ができることにより、パフォーマンスが向上し、仕事に対する満足度も上がっています。異動が実現しなくても、将来のキャリアを考えるきっかけが生まれ、社員が新たな挑戦に向き合えるようになった点も大きな効果です。

参照:上司・人事の承認ナシで異動OK!3ヶ月で20人超が利用した新人事制度・シェイクハンズ
https://seleck.cc/1120#_ebcv=3kxCAMrX.liskul2so.1

6.社員満足度向上は、企業の持続的な成長の鍵

本記事では、社員満足度と企業成長の関係性について解説し、企業が取り組むべき具体的な施策や考え方について紹介しました。社員満足度を高めることは、企業の持続的な成長を実現するために非常に重要です。社員一人ひとりが、自らの仕事に誇りを持ち、会社への貢献意欲高く業務に取り組めるような環境を整備していくことが、企業の発展に繋がっていくと言えるでしょう。

おわりに

社員満足度の向上は、企業の生産性や成長に直結します。特にサービス業では、現場のスタッフが満足して働ける環境づくりが業績に影響を与えます。H&G ESは、サービス業に特化した従業員満足度調査を通じて、現場の課題を可視化し、具体的な改善策の提案から効果検証までワンストップでご支援します。現場の本音を引き出し、従業員が働きがいを感じられる職場づくりを目指して、ぜひH&G ESをご活用ください。お問い合わせは、お気軽にどうぞ。

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投稿者プロフィール

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンにて、
各種サービスの企画担当を経て、現在はマーケティング部門にて編集を担当。
学生時代は居酒屋店員として4年間のアルバイトを経験し、飲食店の現場事情に精通。
今でもお店を訪れるとスタッフの動きが気になってしまう、自称『店舗事情ウォッチャー』。

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