- Home
- お役立ちコンテンツ, 評価制度, 教育・ノウハウ
- 人材育成における目標設定の重要性とは?目標設定のポイントまで紹介
企業力を継続的に高めていくには、人材育成が欠かせませんよね。そして、一般的に人材育成においては目標設定が大切だといわれています。しかし、実際にはどのような目標を設定すればいいのか、よく分からない担当者も多いでしょう。この記事では、人材育成で目標設定をすることの重要性や、具体的なポイントについて解説していきます。
1.人材育成における目標設定の重要性
他人から与えられた目標はノルマに過ぎず、「やらなければならない」ことだといえます。そのため、取り組む際に気が重くなってしまう従業員もいるでしょう。一方、自分で決めた目標であれば、積極的に向き合いやすく、モチベーションアップのきっかけにもなります。目標設定では企業の考えと、個々の課題を重ねることが大切です。組織の方針と個人の目標が一致すれば、組織として目指す方向性が固まります。社内全体で士気が高揚し、従業員同士の信頼関係も強固になっていくでしょう。
組織の方針と個人の目標が一致しない場合は、経営陣の思いをしっかり伝えていくことが大事です。担当部署の方向性、日々の業務で求められていることを個人に教え、組織の方針に沿った個人の目標を設定できるよう指導していきます。
そのほか、従業員に目標があれば、達成に向けてポジティブに働けるでしょう。「接客スキルを上げる」「リピーターを増やす」といった目標を乗り越えるたび、周囲から評価されるのもやりがいに変わります。そして、本人の自信や満足感が大きくなっていくという循環が生まれるのです。企業側としても、目標管理によって従業員の成長を期待できるのはメリットです。理想的なのは、個人の目標達成が企業の利益へとつながっていく状況でしょう。
2.目標設定のポイントは?
それでは、従業員が目標設定するうえで大切な要素は何なのでしょうか。以下、目標設定のポイントを紹介します。
従業員に会社の経営目標や担当部署の理想を伝える
最初に、企業の経営目標を従業員に伝えましょう。集客数や売上など、具体的な数字で示すことが大事です。経営目標を共有することで、従業員は組織の一員としての自覚を持てます。また、企業の活動を全従業員が理解すれば、そこに沿った目標を設定しやすくなります。そのほか、近しい部署の存在意義を従業員に教えることも大切です。飲食業であれば、接客担当と厨房などは深く関わっています。いずれかが自由に振る舞いすぎると、もう一方の負担が大きくなりかねません。お互いの動きが見えれば、本当に求められている働き方を見直せるはずです。その結果、目標設定も適切なものに変わっていきます。
メンバーを仕切るマネージャー職、リーダー職に就いているのなら、企業の経営目標や所属部署の目標達成状況をしっかり把握しましょう。そのうえで、担当部署のあるべき形をはっきり説明できるようにしておきます。
定量的に評価ができるものにする
目標設定には、従業員の成長を評価する狙いも込められています。目標の達成状況を分析すれば、従業員がどれだけ能力を伸ばしているのか明らかになります。そのため、目標は客観視しやすいよう、定量的にすることが重要です。「サービスに入会してもらった数」「新商品の販売数」など、具体的な数値が織り込まれている目標設定を促しましょう。また、行動面の目標、ゴールの形も可能な限り詳細に示すことが肝心です。「新しい接客マニュアルを覚えて働く」など、「何をすれば達成になるのか」を明確にします。さらに、すぐには実現しにくい、長期的な目標だけでなく、工夫と努力次第で達成できるレベルの目標も設定しましょう。
期日を明確にする
人は期日が決まっていないと、「今やらなくてもいい」という心理に陥りがちです。ただ、その状態が続けば、やらなくてはならない仕事すらいつまでも放置されてしまいます。そこで、目標設定では期日までにこなすべき量を組み込みましょう。「1週間以内に20個の新商品を売り切る」といった期日が定まっていれば、後回しにしようという考えはなくなります。また、目標から逆算して、必要な努力をしやすくなるでしょう。すなわち、目標設定では量だけでなく、期日も考慮することが必須です。
3.目標設定の具体例は?
どれだけ目標が達成に近づいているかを確認するための指標が「KPI」です。KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、直訳すれば「重要業績評価指標」となります。KPIは適切な目標を設定するために重要な役割を果たします。たとえば、営業職にとってのアポイント件数、成約率、新規顧客との商談数、新規顧客獲得件数などはKPIの代表例です。また、製造部門では原価率や労働生産性などが該当します。事故の件数、不良品の割合なども無視できません。カスタマーサポートでは、対応件数やキャンセル率、処理時間の平均などが挙げられます。そして、企画職にとってのKPIはリピート率、ページビュー数などです。
KPIを用いるときは、そもそも「達成ができるかどうか」を考えましょう。無理難題を強引に指標化しても、従業員のモチベーションは上がりません。また、期日が適正であること、進捗を測定できることなども大事なポイントです。また、目標が具体的であり、従業員がイメージしながら働ける内容にします。
4.目標管理シートの記載内容は?
上司が部下の目標を管理するための文書を「目標管理シート」と呼びます。目標管理シートにはまず、「目標」を書き込みましょう。個人にとって重要でありつつ、企業の方針からもそれていない内容にすることが肝心です。仮に従業員が目標を絞り切れない場合、優先順位を決めさせましょう。どの目標に力を注げばいいのかが見えれば、努力の方向性も分かりやすくなります。
次に、「評価基準」をはっきりさせます。「リピート獲得数」「アポイント獲得数」など、何を評価基準にするのかをシート内で示すことが大事です。基準が定まれば、従業員は努力の方向性を見極められます。また、上司が部下を評価する際の基準もぶれなくなるでしょう。不満の出にくい基準を作るためには、数値目標にするのが有効です。その後で、数値目標を達成するために必要な「行動目標」を設けます。「笑顔で挨拶する」「店内のお客様に話しかける」といった行動が目標になっていれば、従業員は企業側の望む働き方をするようになります。
最後に、「評価欄」を確保しておきましょう。この欄には、評価の対象になる項目、自己評価や上司からの評価などが記載されます。たとえば、「報連相を守っている」「マニュアルに沿って働いている」などの項目があれば、従業員の行動に指針ができるはずです。そのうえで、上司が自由にコメントを書き込めるスペースも用意しておきます。
5.目標設定してからも従業員一人一人の育成・研修を丁寧に!
企業や組織の発展のため、目標設定が重要だとご理解いただけたでしょうか。また、目標設定の際のポイントもしっかり押さえておきたいところです。長期的な視点で人事育成を考えたとき、目標は設定して終わりではなく、その後のフォローも大切だといえるでしょう。従業員のモチベーションを管理するため、達成率をチェックしたり、定期的な面談を繰り返したりすることが肝心です。そうやって、全従業員の成長を継続的に見守っていかなければなりません。ただ、これらのフォローを自社だけで行っていくのはたいへんな手間です。
グローイング・アカデミーでは従業員満足度調査のサービス「H&G ES」を提供しております。従業員が目標達成に向かって努力するうえで、満足度は非常に大事な指標になりえます。従業員のやる気が落ちているのに、高い目標を押しつけても効果的ではありません。従業員の本音を聞き出して、現場の状況や今後の方向性を修正していきましょう。そうすれば、従業員のモチベーションを高められる正しい目標設定が可能になります。まずは資料請求をいただき、サービスの導入をご検討ください。
「H&G ES」従業員満足度調査サービス
まとめ
従業員の目標設定では、個人的な課題と企業の思いが重なっていくことが大切です。そして、個人の努力が集積し、企業の成長につながっていくようにしたいところです。そのためには、できるだけ具体的な数値目標、行動目標を企業側が示すようにしましょう。自社の力だけでは難しい場合、外部のプロフェッショナルに相談するのもおすすめです。