リーダーシップとマネジメントの違いとは?定義や必要なスキルを徹底解説!

リーダーシップとマネジメントは、どちらも重要なものです。しかし、2つの言葉の違いをきちんと理解できているでしょうか。もし、違いを理解できていたとしても、体現するのは難しいですよね。リーダーやマネージャーとして活躍したいけれど、「どのようなスキルを伸ばせばよいのか悩んでいる」といった人はいませんか。今回は、そのような人に向けて持つべき役割から両者の違い、身につけるべきスキルまで徹底的に紹介します。

1.リーダーシップとは

まずは、リーダーシップについて見ていきましょう。リーダーシップは、複数の経営学者によって多角的に定義されています。なかでも有名なのが、現代経営学の父といわれるピーター・F・ドラッカーや、大ヒットビジネス本「7つの習慣」の著者スティーブン・R・コヴィー博士の定義です。さまざまな経済学者によって定義づけられているリーダーシップですが、実は各定義に共通点がありポイントは次に挙げる3つに集約されます。

メンバーに進む方向を示し導く

1つ目は、企業や組織などが定める目標や目的の達成を目指し、自発的に集団活動に参加しながら導く点です。リーダーシップを発揮して目指すものは、あくまで企業や組織などが定める目標や目的の達成であり、自分のためではありません。集団活動の参加メンバーに対して進むべき方向を示し導く能力ということができます。

組織やチームの維持

2つ目は、掲げた方向性(ビジョン)が実現するように、組織やチームによる集団活動を維持する点です。目標や目的を無事達成させるためには、組織やチームを最後まで維持していくことが重要になります。

積極的な課題解決

3つ目は、ビジョンを実現するうえで支障となる問題は、自ら積極的に解消していく点です。目標や目的を達成するまでには、さまざまな課題に直面します。その都度、きちんと解消していくのもリーダーとして大事なことです。

以上3つのポイントを兼ね備えたものがリーダーシップといえるでしょう。

2.マネジメントとは

マネジメントという英単語を直訳すると「経営」や「管理」という意味になります。
このマネジメントという言葉が、学術的に初めて使われたのはピーター・F・ドラッカーの著書『マネジメント』の中でした。その中でドラッガーはマネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」、と定義しています。
組織とは、達成すべき目標や目的を設定し、その達成を目指すものです。マネジメントは、組織に必要な要素の分析や管理を適切に実行し、集団活動を維持、促進する役割を担っています。

組織とは、社会と個人との相互関係を大きくし、維持、発展させるためのものです。その組織としての機能を十分に発揮させる役割をするものがマネジメントといえるでしょう。
マネジメントのポイントは下記3点です。

① 短期的もしくは長期的な見通しを立て、組織に属するメンバーの力量や特性を把握する
② 模範事例と現状との間にどの程度の乖離があるかを把握し、分析する
③ 組織やチームを維持するために、規則や秩序の遵守を働きかける

3.リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップは、「リーダーに必要な能力」、マネジメントは「マネージャーに必要な能力」といった分け方をしている場合は、認識が異なります。なぜなら、リーダーにマネジメントが求められることもマネージャーにリーダーシップが求められることもあるからです。「誰に必要か」という点に違いがあるわけではありません。リーダーシップとマネジメントの大きな違いは、「何を重視しているか」という点です。

必要な能力の違い

リーダーシップは、「どんな(What)ビジョンに対してメンバーをどの方向(Where)に導くか」という点を重視しています。方向性を重視し、将来を見据えた人材育成など、人に着目するため定性的な能力です。一方で、マネジメントは、前述のWhatとWhereに加えて、「いつ(When)」「誰に対して(Who)」「どのように(How)」という点も重視します。きめ細かく現実的かつ具体的な戦術まで重視され、目標達成のためのタスクの進捗管理・仕組化などシステムや機構に着目するマネジメントは、定量的な能力です。

環境変化への対応の違い

リーダーシップは変化を求められるため、計算によって示されたリスクに対し、体制の変更やビジョンの再策定など、改革を実行し乗り切ろうとします。一方、マネジメントでは組織の管理・維持が求められるため、予想されるリスクを回避できるよう「やり方を改善していく」という方法をとります。

時間軸の違い

リーダーシップは将来的に達成したいビジョンに向けてメンバーを導いていく役割のため、中長期的な視点を大切にします。一方で、マネジメントは目標達成のために必要な経営資源の管理を求められるため、短期的な視点と長期的な視点を両方持ち合わせている必要があります。

影響力の違い

リーダーシップの有無は人望や属人的な要因など権威に影響します。一方で、マネジメントの有無は地位や状況的要因などの権力に影響します。

▼リーダーシップやマネジメントについては、以下の記事も参考にしてください。

4.リーダーとマネージャーに必要なスキル

リーダーとマネージャーは、似て非なる役割を持つ役職です。リーダーは、目標や目的を設定し、そこまで周囲を導く役割を担います。周りを引っ張っていく大きな力を持つ存在です。一方で、マネージャーは経営や管理において誰もが目標に向かって自分の力を発揮できるようにサポートする役割を担います。自分自身で成果を上げるのではなく、周囲に効率よく仕事をさせ成果に結びつけるようにサポートする存在です。

共通して必要なスキル

役割の異なるリーダーとマネージャーですが、どちらにも共通して必要なスキルがあります。まず、設定した目標を実現しようとする意志力が必要です。強い意志力を見せることで、周りも安心してついていくことができます。そのほかにも、組織を率いるうえでの決断力や行動力、コミュニケーション力も必要です。また、組織を代表して書類作成などもしなければならないため、事務処理能力も求められます。部下を戦力として育てる人材育成力も共通して重視されるスキルかもしれません。

リーダーに特に求められるスキル

リーダーになった場合、目標設定力や先見性は必要でしょう。先頭に立って周りを率いていくので、正しい方向を見極める勘所を押さえなければなりません。また、人間的魅力が求められるのもリーダーの特徴です。他のメンバーが信じてついていけるだけの影響力が必要なので、人間性や人柄も重要な要素となります。

▼リーダーに求められるスキルの詳細については、以下の記事も参考にしてください。

チームリーダーになりたての人必見! 求められる役割や心構え

マネージャーに特に求められるスキル

マネージャーになった場合、現状を把握して集団活動を維持していくための力が必要になるため、計画策定力や論理的思考力、コーチング力などが重視されるでしょう。また、管理調整能力も求められます。

5.スキルの習得方法を紹介

リーダーシップやマネジメントにかかわるスキルを習得する方法は、大きく分けて4つあります。

所属団体で実施される集合研修を受ける

多くの企業では、中堅社員研修や管理職研修など、部下を持つ階層の社員を対象とした研修を実施しています。これらの研修には、リーダーシップやマネジメントのスキルを身につけられるコンテンツも含まれているため、上手に活用すれば習得が可能です。

コーチングを受ける

指導者とのコミュニケーションの中から課題発見や問題解決の方法を模索し、相談者自身が答えを導き出せるようにする人材開発手法をコーチングといいます。コーチングには相手の話にしっかりと耳を傾け、表情や態度などを観察することによって、相手の心の内側にある答えを表面に引き出す力が必要です。
リーダーシップやマネジメントを担う際に必要な能力でもあり、既にリーダーシップやマネジメント能力が身についている人からコーチングを受けることで、自発的に考える力を養うと共に、より実践的に上記の能力を身に着けることができます。

自己研鑽する

自己研鑽とは、自分自身で目標設定をして持っている力を鍛え高めることをいいます。最も手軽に行えるのは、リーダーシップやマネジメントについて書かれている書籍を読むことです。有名かつ定評のある書籍の中でも、特にわかりやすく解説されているものを選ぶとよいでしょう。

講座を利用する

自分自身が思い描いているキャリアパスと、組織から求められる役割をすり合わせたうえでどのような講座を受けるか決めましょう。この方法のよいところは、自分が求めている能力に合わせて講座を選ぶことができる点です。例えば、グローイング・アカデミーの講座には、定額制人材研修やオンデマンド型研修などがあります。いずれも現場での人材育成経験が豊富な講師陣の行う講座です。身につけたいスキルを実践的に学べるでしょう。

6.人材育成講座でスキルを身に着けよう!

この記事では、リーダーシップとマネジメントの違い、担うべき役割、必要なスキルなどを紹介しました。どちらにも共通して必要なスキルを身につけたいなら、人材育成講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。グローイング・アカデミーの定額制人材研修や、オンデマンド型研修は、リーダーシップ・マネジメントに関する講座も開講しています。導入効果や教師の質が高いと定評がありおすすめです。まずは、気軽に資料請求や無料のセミナー見学の申し込みから始めてください。

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投稿者プロフィール

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンにて、
各種サービスの企画担当を経て、現在はマーケティング部門にて編集を担当。
学生時代は居酒屋店員として4年間のアルバイトを経験し、飲食店の現場事情に精通。
今でもお店を訪れるとスタッフの動きが気になってしまう、自称『店舗事情ウォッチャー』。

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