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同一労働同一賃金がついに2020年4月からスタート!働き方改革への影響は?
- 2022/7/28
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雇用形態の違いによる理不尽な待遇差を禁止する同一労働同一賃金
企業によっては正社員だけではなく、パートタイムなどの短時間労働者や派遣労働者など、さまざまな雇用形態のスタッフを抱えているところも多くなっています。従来は正社員とパートや派遣のような非正規雇用労働者では、明らかに待遇の違いがありました。しかし、2020年4月1日(中小企業は2021年4月1日スタート)に改正「パートタイム・有期雇用労働法」、いわゆる同一労働同一賃金が施行されたことで、正社員と非正規労働者に理不尽な待遇差をつけることが禁止されました。
隣で同じ仕事をしていても給与や福利厚生などの待遇に差があれば、非正規労働者にとっては理不尽なことです。また、特にサービス業の現場においては、社員と非正規労働者との間で働き方や能力に逆転、すなわち非正規労働者が上回る現象も起こっています。
働き方改革にも深く関わる同一労働同一賃金
同一労働同一賃金はもともと安倍政権が打ち出した「働き方改革」の3本柱のうちの1つです。日本では少子高齢化が進み、今後労働人口が減少することは誰の目にも明らかです。そこで労働力として期待されているのが女性や高齢者です。出産や育児を経ても子育てと仕事を両立することができる環境、定年で退職した高齢者も元気なうちはまだまだ社会で働ける環境を整えることが必要だと考えられているのです。また、高齢化が進む社会では親の介護をしなければならないこともあるでしょう。
このように働き方が多様化するなかで、雇用形態にかかわらず仕事内容が同じであれば、待遇を同一にする必要性がでてきたのです。待遇が異なる場合、非正規労働者から説明を求められれば企業は納得できる説明をしなければなりません。そのため、企業は具体的な仕事内容の差や役割の差、要件の違いなどを明確にする必要もでてきています。
今後は同一労働同一賃金への対応とともに社員の長期キャリア形成も大切
2020年4月からはじまった同一労働同一賃金は、働く側にとって正社員やパート、派遣などの雇用形態による待遇の違いをなくしてもらえる制度です。働き方が多様化する現代では、公正な扱いを受けることができ、安心して業務にも取り組むことが期待できます。一方で、企業にとってはそれぞれの雇用形態ごとの具体的な要件の違いや仕事内容を明確にしておくことが必要です。
同一労働同一賃金に対応するため、自社の雇用形態に関する制度に全体的に不備がないかどうかを見直す必要性もあります。また、社員と非正規労働者との間の働き方や能力の逆転現象を防ぐために、社員に向けて長期キャリア形成のための道筋を定めておくことも大切です。同一労働同一賃金の施行をきっかけに雇用制度の見直しや社員の教育機会参画について検討してみてはいかがでしょうか。