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グローイング・アカデミーと社内大学の二本柱でサービス業を極め、「感動接客」を実現
株式会社 ゴルフ・ドゥ様 導入事例
今回お伺いしたのは、埼玉県さいたま市の「株式会社ゴルフ・ドゥ」様。中古ゴルフクラブの買取り・販売を主たる営業目的とする「ゴルフ・ドゥ!」の直営店及び同フランチャイズチェーンの本部運営を行なっている会社です。GROWING ACADEMY[以下、グローイング・アカデミー]と新入社員研修を導入し、それらを自社の評価制度に紐付けた運用をしています。実際にどのような活用をしているのか、代表取締役社長の伊東龍也様と、人財開発室・川越店店長の三宅真平様、人財開発室・採用担当の春日佳乃子様にお話を伺いました。
〇グローイング・アカデミーについて
・サービス業に特化した研修内容に惹かれて導入を決意
・当時の研修テキストは宝物、入社12年目の今も実践し続ける
〇新入社員研修について
・“体験できる”研修でサービス業の本質を一から勉強する
・「やってみよう!」とやる気が自然と沸き起こる研修に驚き
〇人事評価制度について
・良い研修への興味を高めるために人事評価に研修を組み込む
・中堅社員や管理職へ研修受講を促進するのが今後の課題
・人と人とのつながりを大切に日々”感動接客”を実現していく
サービス業に特化した研修内容に惹かれて導入を決意
「ゴルフ・ドゥ!カレッジ」という社内大学を創設されていますね。
グローイング・アカデミーを選んだ決め手は何でしたか?
伊東様 サービス業に特化した研修内容だったことです。すでに定額制の同じようなサービスを導入していたのですが、どうも参加率が上がらなくて・・・社員に聞いてみたところ「実務とあまり関係がない内容が多い」と。そこで、グローイング・アカデミーを検討しました。社長である私が自ら体験講座を受けてみて、これはいいなと思いましたね。サービス業に特化した研修は他にはなかったので「こんな研修があるのか」と驚きました。
三宅様 座学だけではなく、グループワークがあるのも魅力的でしたね。リーダーを決めて、1つの議題に対してみなで答えを見つけていくというやり方は、店舗運営にもそのまま応用できます。
伊東様 優しい言葉でわかりやすかったのも良かったです。若い社員が受けるので、あまり難しい内容では困るなと思っていましたから。
三宅様はどんな講座を受講しましたか?
三宅様 コミュニケーション、クレーム対応、ホスピタリティーマインド、数値管理、モチベーションUPなどです。これらは今でも私の仕事の軸になっています。
当時はどんな課題を抱えていましたか?
課題は、部下との関係性やパート従業員の管理、目標の立て方、クレーム対応、面談方法など山積みでした。こうした課題のほとんどを、グローイング・アカデミーの研修を受けることで解決できたと思います。
たとえば、どんな課題が解決できましたか?
三宅様 部下のモチベーションを上げるという課題に対しては、「遠い先のゴールではなくて、小さいゴールを設定する」ということを学びました。実際に店舗で実践してみて、少しずつですが手応えを感じられるようになり、学びが生きているなと実感しました。
当時の研修テキストは宝物、入社12年目の今も実践し続ける
講座内容はいかがでしたか?
「誰でも即実践できるレベル」で学べたことも大きかったですね。研修を受けた直後から、店で実践できることがたくさんありました。たとえば、日々の業務は「感動接客」という企業理念を意識して行うことが求められますが、これは簡単そうでとても難しい。頭ではわかっていても、どうやればいいのか、やり方がわからないと実践できません。グローイング・アカデミーの研修では、事例を使って「どうすることが感動接客なのか」がわかるように教えてもらえたので、誰でもすぐに実践できました。またグローイング・アカデミーは弊社が掲げる企業理念に通ずる内容でした。
ロールプレイングも印象に残っています。研修後3カ月ほど経って、現場で学びを実践するチャンスが訪れました。うまくいったときは、大きな達成感がありましたね。
クレーム対応に関してはどのような学びが得られましたか?
三宅様 研修受講前のクレーム対応は、「とにかくお客様の要望に応える」というものでした。怒っているお客様を早く何とかしようとして、むやみに返金に応じていたこともあります。研修では「それではいけない。クレームの内容によってはこちらの意思をしっかり伝えなければいけない」と教えられました。逃げるのではなく、きちんとお客様の話を聞いて冷静に対応することが大事だと。
印象に残っている講座はありますか?
三宅様 『ホスピタリティーマインド』が印象に残っています。パソコンを見ながら、作業をしながらの「ながら返事」は、知らずに部下の信頼度を落としてしまう恐ろしいことなんだとわかった講座です。仕事をしながら片手間に話を聞くのではなく、体を正面に向けて手を休めて相手の話を聴くこと。上に立つ立場の人間として、社会人として当たり前の心構えにしなければならないと今でも肝に命じています。
当時の学びは現在でも役に立っていますか?
春日様は前職が化粧品会社だったそうですね。
春日様 はい。デパートでいわゆる一流のサービスと呼ばれるものを実践していましたから、入社したときは正直「いまさらサービス研修なんて」という思いもありました。でも、『直感力を活かせ!』という講座名を見て「何だかおもしろそう」とまさに直感で惹かれまして。
三宅様 グローイング・アカデミーは、講座名のつけ方がうまいですよね。『ワクワク思考を身につけよう』とか、見ているだけでも受けたくなってきます。若手社員は「元ディズニーキャストとつくる~」とか「元リッツ・カールトンのコンシェルジュから学ぶ~」とついている講座に「ぜひ、話を聞いてみたい!」とやる気を感じるようです。
春日様 新入社員が選ぶ講座は、「基本」「基礎」とついている講座が人気です。その講座で何が学べるのか、タイトルからわかるのが良いようです。
春日様は、実際に講座を受けてみていかがでしたか?
“体験できる”研修でサービス業の本質を一から勉強する
新入社員研修を導入したきっかけを教えてください。
伊東様 14年前から、会社が新卒採用を始めました。新入社員はキャリア社員と違い、社会人としての「いろは」を知らない状態で入社してきます。先輩が当たり前のように知っていることでも、後輩はまったく知りません。企業理念を意識して仕事をするというようなレベルには遠く及ばず、「何がわからないのかがわからない」という状態です。
春日様 そこで、3年前にグローイング・アカデミーの新入社員研修とフォローアップ研修を導入し、4月・9月・2月の年3回研修を受けるようになりました。グローイング・アカデミーの新入社員研修導入前の弊社は「背中を見て覚えろ」の世界。これは効率がかなり悪いですし、誰が教えるかによっても差が出てきてしまいます。
三宅様 研修を受けると、誰でも一定レベルのことを短期間でできるようになるので、成長速度が全然違います。キャリア社員と若手社員との間に生じるコミュニケーションにおけるギャップも早い段階で減るので、お互いにストレスが少なく仕事ができるようになりました。
どのような点が良いと感じますか?
春日様 グループワークで他社の方と意見交換ができるのがいいですね。前職の研修は社内研修で、その会社の目標を達成するためのいわば閉ざされた研修でした。これに対して、グローイング・アカデミーの研修は、他企業の新入社員と一緒に行うオープンな研修で、広い視野でいろいろな知見を共有できるのがとても刺激的です。
三宅様 外部研修のメリットは大きいですよね。厳しく教えてもらうことができますし、基本的にその場限りなので「失敗したらどうしよう」とあまり心配せずに済みます。
春日様 あえて社外に出ることで、会社への帰属意識が芽生える、という効果もあるのではないかと思います。
「やってみよう!」とやる気が自然と沸き起こる研修に驚き
受講前後で、新入社員の方にどんな変化がありますか?
ここまで変われるのは、講座内容ももちろんですが、グループワークやロールプレイングの影響も大きいと思います。「自分にもできるかも。よし、やってみよう」というところまで、モチベーションを上げた状態で研修を終えるので、すぐに実践する社員が多いのではないでしょうか。
9月にフォローアップ研修がありましたが、社員の方はどんな様子でしたか?
春日様 「(4月の新入社員研修のときの)仲間にまた会えたのが嬉しかった」と言っていました。弊社は店舗数が多いので、新入社員は基本的に1店舗に一人しか配属されません。そのため、心細さから心が折れそうになることがあります。そんなときでも、社外の同期と研修で絆を深めていれば、「9月にまた会いたいから、もう少しがんばってみよう」という気持ちになれます。これは、離職防止にもつながるので、会社としては非常にありがたいです。
良い研修への興味を高めるために人事評価に研修を組み込む
グローイング・アカデミーを評価制度に組み込んでいらっしゃるそうですね。
ビジネススキル評価とヒューマンスキル評価の2軸を用意しましたが、評価者によってばらつきが出てしまうのが悩みでした。360度評価も取り入れましたが、うまく機能しなくて。そこで、定量化できる評価は定量化することにし、グローイング・アカデミーの受講回数も評価基準の一つとして採用しました。
数字で見える化しやすい点が良かったのでしょうか?
伊東様 いえ、それよりも良い研修なので、たくさんの社員に受けてほしかったんです。評価と紐付ければ、自然と研修に興味を持ってくれるだろうと期待しました。
現在の運用状況はいかがですか?
三宅様 全員必須で同じ研修を受けるので、同じペースで育成を進められています。講座内容を店舗の同期や先輩後輩で共有できるので、「この研修を受けるといいよ」とアドバイスしたり、研修でわからない点を教え合ったりしています。
春日様 評価の対象だからといって、ただ回数をこなすだけでは意味がないのですが、評価基準をはるかに上回る回数を受講している社員もいて、その点は問題なさそうです。「もっと学びたい!」という意欲・熱意を感じます。
伊東様 大事なのは、最初のきっかけをどう作るかだと思います。どんなに良い研修でも、まず受けてもらわないことには良さが伝わりません。せっかくの研修をたくさんの人に受けてもらうためにも、研修を評価に紐付けるのは良い方法だと思います。
三宅様 少なくとも若手に関しては、研修を評価項目に組み込んだことで、予想通りの効果が出ていると思います。
中堅社員や管理職へ研修受講を促進するのが今後の課題
研修に関して、いま感じている課題はありますか?
伊東様 中堅社員への研修です。研修を受けてやる気を出している若手に、先輩社員がうまく油を注いであげて欲しいのですが、管理職社員の教育がまだ十分ではありません。
春日様 「こういう研修があります」という情報は、積極的に配信しているのですが、若手社員の受講率と比較すると、管理職の受講率はまだ低いですね。
三宅様 管理職に関しては、まだ研修を評価に組み込んでいません。現場の責任も大きいので、すぐに紐づけるのは難しい面もあるからです。このあたりは、今後の課題だと思います。
伊東様 現在の店長・副店長クラスは中堅社員が多く、ゴルフ・ドゥの研修を受けてこなかった社員がほとんど。前職の基準をそのまま持ち込んで、仕事をしている人も少なくありません。統一した基準で仕事をしてもらうためにも、どこかできちんと研修を受けてもらい、ゴルフ・ドゥの管理職としてのマインドチェンジをしてもらう必要があると考えています。
中堅社員の研修は新人の研修よりも難しそうですね。
三宅様 そうですね。キャリアのある人がこれまでの考え方を変えるのは容易ではないと思います。だからこそ、説得力のある講師が教える外部研修が有効だと思います。
人と人とのつながりを大切に日々”感動接客”を実現していく
御社の今後の展望をお聞かせください。
もっとも、これはあくまでお客様の利便性を考えてのことで、店舗に来ていただくための一つの施策にすぎません。「感動接客」という企業理念は変わらず、「店舗で人を介して、品物を売り買いしていただく」というのが、今後も弊社のやり方です。
研修を社員にどう活用して欲しいと思いますか?
伊東様 研修は、じわじわと人を成長させていくもの。「ここまでやればいい」というものではなく、成長に応じて繰り返し受けることで、その時々の学びが得られるものだと思います。せっかく学びのチャンスが目の前にあるのですから、積極的に活用して大きく成長して欲しいですね。
三宅様 研修は受けて終わりではなく、受けたときがスタート。実践してこその研修なので、店舗を復習の場として、学びをどんどん実践して欲しいです。実践する仕組みをいかに作るかが、私のような店長の最大の使命だと考えています。
春日様 「ゴルフ・ドゥ!カレッジ」とグローイング・アカデミーの2軸があるのが非常に良いと感じています。研修で他の会社の人と楽しく切磋琢磨しながら、着実に成長して欲しいですね。
編集後記
人から人へ品物を受け渡す仕事だからこそ、人財育成の重要性を知り尽くしている株式会社ゴルフ・ドゥ様。実践してこその学びだと意識し、研修を実際の業務にどう生かし切るか、日々工夫を重ねている姿に感銘を受けました。社内大学とグローイング・アカデミーの二本柱で、大きな相乗効果が生まれるのではないかと嬉しい予感を感じました。