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- 若手社員育成の秘訣!成長を変える5つの方法

現代社会において、企業は常に変化を求められています。そして、その変化を牽引していく原動力となるのが、若手社員の育成です。しかし、従来の育成方法が通用しにくくなっているのも事実。若手社員の価値観は多様化し、育成担当者は新しい時代の波に戸惑いを感じているのではないでしょうか。
本記事では、若手社員育成に悩む管理職や人事担当者の皆様に向けて、現代の若手社員の特徴を踏まえた上で、成長を促進するための具体的な5つの方法をご紹介します。
目次 こちらをクリックすると詳細を表示・非表示できます
- 1.若手社員の現状と課題
- 1-1.現代の若手社員の特徴
- 1-2.若手社員が抱える課題
- 2.育成がうまくいかない理由
- 2-1.若手社員の価値観の多様化
- 2-2.育成方針や研修計画の不足
- 2-3.育成担当のスキル不足
- 2-4.成長に対するフィードバック不足
- 3.若手社員育成の5つの方法
- 4.若手社員育成の注意点
- 5.おわりに
1.若手社員の現状と課題
1-1.現代の若手社員の特徴
現代の若手社員の特徴は、主に以下の5つがあります。
- ・失敗を恐れる
- ・情報収集能力に優れる
- ・進んで苦労することを避ける
- ・出世よりもプライベートを優先
- ・転職を当たり前と考える
それぞれ詳しく解説します。
①失敗を恐れる
デジタルネイティブ世代は、インターネットやSNSなど、常に他人と比較され、評価される環境で育ってきました。そのため、失敗が可視化されやすく、周囲の目を気にしてリスクを回避する傾向があります。
②情報収集能力に優れている
インターネットやスマホを使いこなすことに長け、必要な情報を効率的に収集することに優れています。しかし、情報過多によって、本当に必要な情報を取捨選択できない、情報源の信頼性を判断できないといった課題も抱えています。
③進んで苦労することを避ける
長時間労働よりも効率性を重視し、限られた時間で成果を出すことを求める傾向があります。そのため、従来の「長時間労働=美徳」といった価値観は通用しにくくなってきています。
④出世よりもプライベートを優先
仕事よりも自分の時間を大切にし、ワークライフバランスを重視する傾向があります。そのため、従来のように、仕事に多くの時間を割くことを求めると、モチベーションが低下してしまう可能性があります。
⑤転職を当たり前と考える
終身雇用制度が崩壊し、転職が一般的になった現代において、若手社員は、一つの会社に留まることに固執せず、より良い条件や環境を求めて転職を繰り返す傾向があります。
これらの特徴を踏まえ、頭ごなしに否定するのではなく、それぞれの価値観を理解し、対話を通して相互理解を深めることが重要です。若手社員の個性や強みを活かしながら、彼らが最大限に能力を発揮できるような環境作りを目指しましょう。
1-2.若手社員が抱える課題
現代の若手社員は、前述したような特徴から、従来の社員とは異なる課題を抱えており、主に以下の3つのケースがあります。
- ・業務を理解したと勘違いする
- ・仕事の進め方を更新できない
- ・自ら機会を見い出そうとしない
それぞれ、具体例と背景と共に詳しく解説します。
①業務を理解したと勘違いする
一通りの業務を経験し、ある程度の成果を出せるようになると、全ての業務を理解したと錯覚してしまうことがあります。これは、全体像を把握することなく、目の前の業務に集中してしまう傾向や、積極的に質問したり、深く掘り下げて考えることを避ける傾向があるために起こると考えられます。
【具体的な例】
- ・新しい顧客対応マニュアルが導入されても、以前の方法で対応してしまう
- ・部署全体の目標を理解せず、自分の担当業務だけをこなそうとする
- ・指示された業務はこなすが、改善点や疑問点に気づいても放置してしまう
【背景】
- ・失敗を恐れるあまり、新しいことにチャレンジすることに抵抗がある
- ・指示されたことをこなすことに慣れ、自ら考えて行動することに慣れていない
- ・全体像を把握する機会や、深く考えることを促す指導が不足している
②仕事の進め方を更新できない
従来のやり方や慣れ親しんだツールに固執し、新しいツールや手法を取り入れようとしないことがあります。これは、変化への抵抗感や、新しいことを学ぶことに対する負担感、あるいは現状維持で問題ないと考えていることが原因として考えられます。
【具体的な例】
- ・非効率な作業方法を改善しようとせず、従来通りのやり方に固執する
- ・最新のITツールやシステムの導入に抵抗を示し、使いこなそうとしない
- ・周囲の意見やアドバイスを聞き入れず、自分のやり方に固執する
【背景】
- ・新しいことを学ぶ時間や機会が不足している
- ・新しいツールや手法のメリットを理解できていない
- ・失敗を恐れるあまり、現状維持を優先してしまう
③自ら機会を見い出そうとしない
指示された業務をこなすことはできても、自ら課題や目標を設定し、行動を起こすことを苦手とする傾向があります。これは、受け身の姿勢が身についてしまっていることや、責任を負うことを避けたいという心理が働いていると考えられます。
【具体的な例】
- ・指示された業務以外には関心を示さず、積極的に業務に取り組む姿勢が見られない
- ・改善点や問題点に気づいても、上司や先輩に報告・相談しようとしない
- ・新しい業務に挑戦する機会を提示されても、消極的な姿勢を見せる
【背景】
- ・自ら考えて行動することの重要性を認識できていない
- ・失敗に対する不安や、責任を負いたくないという気持ちが強い
- ・主体的に行動できるような、機会や環境が与えられていない
これらの課題を解決するためには、若手社員の特徴を踏まえ、一方的に指導するのではなく、彼らの個性や強みを理解し、自主性を育むような育成方法を採用していく必要があります。
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2.育成がうまくいかない理由
若手社員の育成がうまくいかない背景には、若手社員側の課題だけでなく、企業側、そして育成担当者側の問題点も挙げられます。従来の育成方法が通用しにくくなっている現状を理解し、時代に合わせた柔軟な対応が必要不可欠です。
2-1.若手社員の価値観の多様化
現代の若手社員は、育ってきた環境や価値観が多様化しており、画一的な育成方法では、彼らの個性や強みを活かすことができず、モチベーションの低下に繋がってしまう可能性があります。
【具体的な問題点】
- ・一括研修や画一的なカリキュラムでは、個々の学習ニーズに対応できない。
- ・成長実感を得られず、研修の効果が薄くなってしまう。
- ・会社の価値観を押し付けるような指導は、反発を生む可能性がある。
2-2.育成方針や研修計画の不足
企業全体として、若手社員育成に対する明確な方針や計画が策定されておらず、部署や育成担当者に任せきりになっているケースが見られます。結果として、体系的な育成が難しく、場当たり的な指導に終始してしまう可能性があります。
【具体的な問題点】
- ・長期的な視点に立った育成計画が無く、短期的な成果を求めがちになる。
- ・部署や育成担当者によって指導内容や評価基準が異なり、育成にムラが生じる。
- ・若手社員の成長を可視化することが難しく、育成の成果が測定できない。
2-3.育成担当のスキル不足
時代の変化に伴い、求められる育成スキルも変化しています。従来の指導方法やコミュニケーション方法が通用しないケースも増えているため、育成担当者自身のスキルアップが急務となっています。
【具体的な問題点】
- ・若手社員との世代間ギャップにより、適切なコミュニケーションが図れない。
- ・若手社員のモチベーションを高める方法や、自主性を育む指導方法がわからない。
- ・最新の育成方法やツールに関する知識や経験が不足している。
2-4.成長に対するフィードバック不足
若手社員の成長を促すためには、定期的な評価やフィードバックが不可欠です。しかし、日々の業務に追われ、十分な時間を取ることができない、あるいは具体的なフィードバック方法がわからないといった理由から、適切なフィードバックが不足しているケースが多く見られます。
【具体的な問題点】
- ・評価が曖昧で、何が良くて何が悪いのか、具体的な指摘がされない。
- ・フィードバックの頻度が少なく、成長を実感する機会が得られない。
- ・ネガティブな指摘ばかりで、モチベーションが低下してしまう。
これらの問題点を改善し、若手社員が安心して成長できる環境を整えることは、企業の未来を左右する重要な課題と言えるでしょう。
3.若手社員育成の5つの方法
では、これらの課題を踏まえ、現代の若手社員を育成するにはどのような方法が有効なのでしょうか。具体的な5つの方法を紹介します。
3-1.企業理念・行動指針への共感と実践
企業理念や行動指針は、社員全員が共有すべき価値観であり、日々の行動の指針となるものです。しかし、単に言葉として伝えるだけでは、若手社員の心に響かず、行動変容に繋がることは難しいでしょう。
① 企業理念の浸透:共感と納得感を深める
企業理念をわかりやすく説明するだけでなく、なぜその理念が生まれたのか、どのような背景や想いが込められているのかを伝えることが重要です。具体的には、創業者のストーリーや、理念に基づいた過去の成功体験などを共有することで、若手社員の共感と納得感を高めることができます。
② 行動指針の重要性:具体的な場面と行動例を示す
顧客対応や社内コミュニケーション、報連相など、具体的な場面における望ましい行動を明確化し、行動指針として明文化することで、迷った際の判断基準になります。単に行動指針を示すだけでなく、具体的な行動例やロールプレイングなどを交えながら、理解を深めることが重要です。
また、行動指針に沿って行動した結果、どのような成果に繋がったのか、具体的な事例を共有することで、行動のモチベーションを高めることができます。
3-2.業務理解を深め、主体的な行動を促進
若手社員が、担当業務だけでなく、部署全体の業務フローや、自社のビジネスモデル、顧客について理解を深めることは、責任感とモチベーションの向上に繋がり、主体的な行動を促進します。
業務の全体像を把握するためには、部署全体の業務フローチャートを作成し、各業務の繋がりや役割分担を可視化することで、自分の担当業務が全体の中でどのように位置づけられているのかを理解することが重要です。また、役割や責任範囲を明確にすることで、責任感を持って業務に取り組む姿勢が育まれます。
さらに、新人研修などで他部署の業務内容や役割を学ぶ機会を設けることも効果的です。同時に、業務の目的を理解することも欠かせません。なぜその業務を行うのか、顧客や社会にどのような価値を提供しているのかを明確に伝えることで、業務の意義や目的意識を高めることができます。加えて、顧客の声や感謝の言葉を共有したり、社会貢献活動に参加する機会を設けることで、顧客視点や社会貢献意識を育むことができます。
3-3.振り返りを習慣化し、継続的な成長を促す
日々の業務の中で経験したこと、感じたことを振り返り、言語化することで、学びを深め、成長を促進することができます。しかし、若手社員は、自分自身で振り返りを行う習慣が身についていないケースも多いです。
具体的な行動や気づきを言語化することは、自己成長において重要なステップです。単に「今日は○○をしました」といった表面的な日報にとどまらず、「良かった点」「反省点」「改善策」などを具体的に書き出す習慣をつけることで、経験を客観的に振り返り、それを次の行動に活かすことができます。また、上司や先輩社員は、振り返り内容に対して具体的なフィードバックを行うことで、若手社員が自身の考えを深められるようサポートすることが大切です。さらに、振り返りを通じて得られた学びを他の業務にも応用することで応用力が高まり、さらなる成長へと繋がります。チームや部署内で成功体験や失敗から得た学びを共有する場を設けることで、個人だけでなく他者の経験からも学ぶ機会が生まれ、組織全体の成長を促進することができるでしょう。
3-4.キャリアプランを描き、主体的なキャリア形成を支援
若いうちから将来のキャリアプランを考える機会を与えることは、成長意欲の向上に繋がり、主体的なキャリア形成を促します。
キャリアプランは、単に「将来どんな仕事がしたいか」だけでなく、「どんなスキルを身につけて、どんな自分になりたいのか」という将来のビジョンを具体化していく作業です。定期的な面談やキャリア研修を通して、キャリアプランを考える機会を提供し、上司や先輩社員が相談に乗る体制を整えましょう。
また、具体的な目標設定も大切です。1年後、3年後、5年後といったように、長期的な目標だけでなく、短期的な目標も設定することで、具体的な行動計画を立てやすくなります。定期的に目標達成度や進捗状況を確認し、必要に応じて計画を見直すなど、柔軟に対応することが大切です。
3-5.信頼関係を基盤とした、継続的なフォロー体制
若手社員が安心して成長できるよう、上司や先輩社員によるきめ細やかなフォロー体制を構築することが重要です。信頼関係を基盤としたコミュニケーションを通して、不安や悩みを解消し、モチベーションを高めましょう。
業務の進捗状況や課題、キャリアプランに関する相談など、定期的に面談を行うことで、若手社員の状況を把握し、適切なアドバイスやサポートを提供することができます。一方的な報告会ではなく、若手社員の意見や考えを積極的に聞き取る、双方向のコミュニケーションを心がけましょう。
また、意見交換も重要です。若手社員にとって、上司や先輩社員は、相談しづらい、意見しづらい存在になりがちです。日頃からフランクに意見交換できる雰囲気作りや関係性を構築することで、若手社員が安心して相談できる、心理的安全性を確保することが大切です。
これらの方法を実践することで、若手社員は、下記の能力を身に着けることができます。
- ・変化する社会への適応力
- ・問題解決能力の向上
- ・コミュニケーション能力の向上
- ・主体性や積極性の向上
4.若手社員育成の注意点
最後に、若手社員を育成する上で注意すべき、以下の5点ご紹介します。
- ・価値観の押し付けをしない
- ・具体的な指示を出す
- ・自分と部下を比較しない
- ・叱り方に気をつける
- ・社員同士を比較しない
それぞれ詳細を説明します。
①価値観の押し付けをしない
現代の若手社員は、多様な価値観を持っています。頭ごなしに否定するのではなく、それぞれの価値観を尊重し、対話を通じて理解を深めることが重要です。
②具体的な指示を出す
若手社員は、経験が浅いため、抽象的な指示では理解できないことがあります。具体的な指示を心がけ、疑問点があればすぐに質問できる環境を整えましょう。
③自分と部下を比較しない
自分自身の若手時代と比較し、「最近の若者は…」などと決めつけることは避けましょう。それぞれの個性や成長スピードを尊重することが大切です。
④叱り方に気をつける
叱る際には、人格を否定するような発言は避け、あくまで業務上の改善点を具体的に指摘するようにしましょう。感情的にならず、冷静に指導することが大切です。
⑤社員同士を比較しない
他社の社員と比較して、モチベーションを下げるような発言は避けましょう。それぞれの個性や強みを認め、成長を促すことが重要です。
5.おわりに
本記事では、現代の若手社員の特徴を踏まえ、成長を促進するための5つの具体的な方法を紹介しました。若手社員の育成は、短期的な視点ではなく、長期的な視点に立って、根気強く取り組むことが重要です。彼らの成長が、企業の成長、そして社会全体の発展に繋がっていくことを信じて、積極的に取り組んでいきましょう。
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