接客業において接客マナーの理解と実践は必要不可欠です。従業員の接客マナーが悪いと、それが会社の経営にも影響してしまいます。お客様にとって、接客するのがアルバイトか社員かという点は関係ありません。お客様の満足感を高めるためにも、もっと接客マナーを重要視しましょう。この記事では接客マナーの基本や学び方について紹介します。
1.なぜ接客マナーは必要なの?
従業員とお客様という立場で接するのが接客です。普段から何度も顔を合わせている間柄なら多少失礼なことがあっても、許される面があるかもしれません。しかし、接客の対象となるお客様は、初対面であることも少なくありません。そして、ほとんどのお客様は従業員の人となりを知らない状態です。従業員の態度ひとつで不快な思いをすることもあり得ます。接客マナーは、お客様との関係を構築するうえで必要不可欠な礼儀作法です。正しい接客マナーを身につけることによりコミュニケーションが円滑になり、質のよいサービスを提供することができます。ルールや規則のように必ず守らなければならない決まりではありませんが、お客様との関係を円滑にするためには必要なものだと覚えておきましょう。
2.接客マナーの基本
接客に携わる人にとって、接客マナーを身につけることがいかに大切か理解できたことでしょう。では、最低限身につけなければならない接客マナーとはどのようなものなのでしょうか。ここからは具体的な例を挙げながら接客マナーの基本について解説します。
挨拶
挨拶がきちんとできるかどうかは、接客マナーが身についているか否か以前の問題です。挨拶は社会人にとって最低限身につけておきたい常識といっても過言ではありません。正しい挨拶ができないことが信頼を失う原因にもなり得ます。そのことを前提に、接客業で挨拶がなぜ大切なのかを考えてみましょう。
お客様が入店する際、最初にかけられる言葉が従業員からの挨拶です。そのときに感じたことがお客様にとっての第一印象になります。お客様は従業員を個人では認識しないのが普通です。ベテランであっても新人であっても、社員であってもアルバイトであっても、お店の人からの挨拶だと認識します。ですから、どのような立場であってもお店の顔としての挨拶を心がけなければなりません。挨拶はおもてなしの基本であることを意識し、はっきりと活舌よく話すことが大事です。
表情
接客において表情はとても重要な役割を果たします。なぜなら、人は情報伝達の手段として、半分以上を視覚に頼っているからです。「メラビアンの法則」によると、話の内容から得る情報はわずか7%にすぎないのに対し、顔の表情から得る情報は55%にも及びます。接客の際、表情がお客様に与える影響がいかに大きいかが想像できるでしょう。
お客様は明るい表情で接する従業員に対してはよい印象を持ちます。親近感を抱いてもらうことができれば、リピーターも増えるでしょう。それに対して、無表情で接客する従業員からは冷たい印象を受けます。印象が悪い従業員は近寄りがたく感じるため、店への足が遠のくことにもなるでしょう。リピーターがいなくなれば、店の売り上げにも影響が出ます。従業員ひとりひとりが笑顔を意識することが大切です。
言葉遣い
お客様に対しては適切な言葉遣いで話すことが基本です。たとえお客様がフレンドリーな方でも、従業員とお客様という立場であることを忘れてはいけません。お客様が自分よりも年下に見える場合も同様です。言葉遣いがラフすぎると、お客様を不快な気分にさせてしまう可能性があります。言葉遣いが丁寧すぎることで距離を置かれることもあり得ますが、フランクな言葉遣いで話すことの危険さは理解しておくことが大切です。あくまでも接客を担当する従業員という立場をわきまえた言葉遣いを心がけましょう。
身だしなみ
身だしなみも接客をする際の重要なマナーの1つです。意識して清潔感を保つようにしましょう。お客様は従業員の外見を気にする傾向があります。メイクはナチュラルメイクを心がけ、色遣いは控えめにすることが大切です。長い頭髪は束ねます。洋服はシワや汚れがないかよく確認したうえで、だらしなく見えないように着方にも気を配りましょう。香水や化粧品、整髪剤などの香りにも注意が必要です。身だしなみが整っていないとお客様に悪い印象を与えてしまいます。悪い印象を持たれるのは従業員個人ではなくお店です。清潔感を保ちつつ、店の雰囲気に合った身だしなみをするようにしましょう。
3.接客マナーを身につけ接客レベルを向上させよう!
従業員にきちんと接客マナーを身につけてもらうためにはどのようにすればよいのでしょうか。接客マナーはお店に立つ従業員全員が身につけていなければならないものです。ここからは、接客マナーを身につけるためにできることを紹介します。
接客マナーに関する研修等を実施する
接客マナーは顧客満足度にも関わる重要なものです。従業員全体で質の良い接客をするためには、きちんとした教育の機会を設けることも考えなければなりません。自社内で教育するリソースが足りない場合は外部の研修を利用することも考えましょう。たとえば、弊社H&Gでは人材育成に関する講座・研修サービスを提供しています。接客スキルに関する講座もあり、この講座を担当するのは実際に接客サービスに従事した経験が豊富な講師です。さまざまな業界の人と交流しながら講義を受けるので、良い刺激にもなるでしょう。研修後に、自分が行った接客に対して講師がフィードバックをしてくれる点もおすすめです。
接客マニュアルを用意する
お客様は、接客に一定水準以上の質を求めます。社員が対応しているかアルバイトが対応しているかという点は関係ありません。ですから、お店に立つ以上は、社員、アルバイト、パートなど立場に関係なく、一定水準以上の接客スキルを身につけている必要があります。一定水準以上の接客スキルを身につけさせるためには、マニュアルを用意しておくのも一つの手です。マニュアル化することで最低限必要なレベルがはっきりするので、最低限の接客マナーを身につけられます。
ただし、最低限のマナーを身につけて終わりではいけません。そのうえでお客様に合わせた接客ができるようにすることが重要です。そのためには、e-ラーニングなどを活用し、空き時間に繰り返し学習を続けて知識を身に着けることが重要です。たとえば、弊社で提供しているGROWING MOBILEを活用いただくのもおすすめです。GROWING MOBILEは学習からマニュアル作成まで手軽に行えるツールです。接客マナーなど必修知識が3000問のクイズ形式で学べます。スマートフォンなどのデバイスを使用するため、隙間時間を有効に使って勉強できる点も魅力です。コンテンツをクラウドで一括管理しているので、社内にあるパワーポイントなどをPDF化し、アップロードすることもできます。オリジナルの研修動画なども簡単に作成できるので、メンバーで共有して、接客マナーの向上に役立てるとよいでしょう。
接客内容について従業員同士で確認し合う
従業員同士で接客内容を確認し合うことも大切です。社員やベテラン従業員が、一方的に新人の接客ができているかどうかを確認するのではありません。立場の違う従業員が交じってお互いの接客を客観的な目で見ることが重要です。そうすることによって、改善点やよい接客例などが見つかりやすくなります。接客に慣れているベテラン従業員にとっては、自身の接客を振り返るよい機会になるでしょう。お互いにチェックし合うことが従業員全体の意識向上にもつながります。
4.正しい接客マナーを実践しよう
接客業に携わるなら基本的な接客マナーは最低限身につけておく必要があります。接客マナーはお店の印象を左右する重要な要素だからです。きちんとマナーを守った接客をすることは、お客様のためであり、自分のためでもあります。接客マナーをしっかりと理解することにより、お客様に楽しい時間を提供できるようになるのです。正しい接客マナーを身につけ、実践してみましょう。