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- 【必見】社員研修の種類には何がある? 知っておくべき導入効果や目的も解説
管理職や人事担当者のなかには、自社の人手不足や人材育成に課題を感じ、研修を導入したいと悩んでいる方もいるでしょう。研修にはいくつもの種類があるため、自社の環境や解決したい課題にマッチした研修を導入できなければ期待した効果を得られない場合もあります。そこで、この記事では社員に適切な研修を受けてもらうために必要な知識や、研修の種類について詳しく紹介します。
1.企業における研修とは
従業員に適切な研修を受けさせるためにも、まずは2種類に大別される研修の概要を見ていきましょう。
職場内研修(OJT研修)
多くの企業で採用している研修方法のひとつがOJT研修です。現場で業務にあたりながら教育担当者が指導していく教育スタイルであるため、実践的な知識や技術を身につけられます。サービス業の場合、OJT研修における教育者は、主に現場の責任者やマニュアルに沿った業務を遂行できる中堅以上の社員が担当するのが一般的で、人事部などが介入するケースは多くありません。
OJT研修を行う際は、教育担当者が実際にやって見せるのが最初の段階です。次に、研修を受ける従業員に挑戦させ、成果に対してフィードバックを行い、改善ポイントを明らかにします。その後、できるまで何度も繰り返してスキルアップを目指すという流れです。実際の現場で基礎的な能力を身につけられるため、主に新入社員や新規配属者への研修に向いています。
職場外研修(OFF-JT研修)
従業員研修は、現場で行う以外では、セミナーなどに参加して技術や知識を身につけるOFF-JTも一般的に行われています。会場は、社内で行う場合もあれば、社内で適当な場所がなければ外部の研修会場を利用する場合もあり、企業によってさまざまです。OFF-JTは一般的に座学で行い、現場に出る前に知っておくべき業務上の基礎知識を身に付けます。研修スタイルは、部署の上長や管理職など社内の人材を講師とする場合や、外部から専門の講師を招いて行う場合もあります。
とくに、プロの講師を招いた研修は高いレベルの知識を吸収できるうえに、研修だけに集中できるのでスキルの習得につながりやすいでしょう。ただし、研修の場で深く理解できたとしても、それが現場ですぐに活かせるとは限らないため、OFF-JT後はOJT研修を行うスケジュールを組むことも必要です。
2.研修をする意義
自社の売り上げをアップして利益を確保するためには優秀な人材が必要です。はじめから企業の戦略を理解して行動できる優秀な人材が揃っている企業なら問題はありませんが、現実はそう甘くはないでしょう。だからこそ、人材教育や育成のために研修が必要なのです。OJTやOFF-JT研修を織り交ぜ、また階層別や年代別の研修なども取り入れながら効果的な人材教育ができれば、業務の改善はもちろん自社の成長にもつながります。
一方、従業員目線で研修を行う意義を考えて見ると、キャリアアップの実現が大きなところでしょう。とくに、社員自身が主体的に参加できる研修を開催できれば、技術面や精神面の向上が期待できるうえに、自身の可能性を高めることができるので従業員満足度も高まりやすくなります。
3.タイプ別! 研修の種類を紹介
社員研修により大きな効果を得るためには、どのような研修を誰に向けて行うかを考える必要があります。ここでは、さまざまな研修 種類を紹介します。
形式別
まずは形式別の社員研修から見ていきましょう。
対面型研修
対面型研修は、座学・講義型と対話・体験型の2種類に分かれます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを以下に示します。
座学講義型
【特徴】
レクチャー形式で行われ、業務上必要な知識や技術、考え方を身に付けるOFF-JT研修です。たとえば、飲食を含むサービス業の場合、心地よい笑顔の作り方、お辞儀の角度、言葉遣い、衛生管理などのほか、お客様満足度の高め方なども研修で身に付けられます。
【メリット】
現場から離れた環境で集中して学んでもらえる機会を提供できるので、たくさんの情報をスピーディに習得できる可能性があります。会場が大きければ参加人数を増やせるので、研修人数が多くなりやすく効率的です。
【デメリット】
研修の参加者が聞き手に回る受け身型の研修スタイルの場合、なかには真摯な態度で参加しない受講者もいるかもしれません。研修の意義や目的、参加するメリットを事前に伝え、成長意欲の高い従業員だけを参加させるなどの工夫も必要でしょう。
対話体験型
【特徴】
対話型の研修で主に行われるのは、参加者同士が教え合うグループディスカッション形式です。従業員個人が持っている知識を教え合うことによってスキルレベルの向上を期待できます。この場合も講師はいるものの、研修参加者の主体性に任せるため進行役を担うケースが多いです。体験型の研修は、いわゆるロールプレイング形式の研修方法です。OJTをロールプレイングとして扱う企業もありますが、一般的にはOFF-JTにより従業員同士がお客様役と店員役に分かれて研修を行います。
【メリット】
対話型の研修では、過去に従業員が体験した成功や失敗の事例を出し合うことで、さまざまなケースを認識できるとともに、今後の営業において見習うべき点と改善するべき点を整理できます。体験型の研修では、体系的に業務の流れを再確認できます。過去の大きなクレーム事例を取り上げて対策方法をロールプレイングで共有することもできるでしょう。
【デメリット】
対話型も体験型も、一度に参加できる人数が限られるという性質上、座学に比べて一度に教育できる人数が少ないことや、教えられる情報量が少ないのがデメリットです。教育担当者のスキルによって従業員の成長度合いが異なる懸念もあります。
非対面型研修
研修会場を設けずに行う研修方法で、一般的なのはパソコンやスマートフォン、タブレットを使用したe-ラーニング研修です。受講希望者は時間や場所に関係なく研修を受けられ、理解できなかった箇所があれば巻き戻して理解できるまで繰り返して確認できます。従業員のレベル別に複数の動画を用意しておけば、新入社員から管理職まで自分のペースで受講できる点がメリットです。また、会場を用意したり講師を招いたりする必要がないので、コスト面でもメリットがあります。
ただし、講義型や体験型のような対面型研修と違い、研修に関するコミュニケーションが活発になりにくい点や、技術や知識の習得には大きな個人差が生じやすい点がデメリットです。強制力が低く従業員の取り組みに依存する研修方法ですから、会社側が期待する研修効果を得られないケースもあります。自発的にe-ラーニング研修に取り組んでもらうための施策を練るとともに、対面型研修と組み合わせた研修スタイルの構築を検討するのがおすすめです。
階層別
社員研修では、一般社員や管理職などの階層に合わせて教育内容が異なります。ここでは、階層別に研修の種類を紹介します。
新入社員向け
新人社員の多くは学生を卒業して間もないため、ビジネスマナーやマインドなどを落とし込み、社会人としての自覚や意識を高めてもらうことが必要です。サービス業の場合、学生時代にアルバイト経験があったとしても、アルバイトと社員では求められる素養が異なるので、教育方法も大きく異なります。そのため、学生時代のアルバイト経験は考慮せずに研修をする必要があります。また、社会人としてブランクのある新人や、他業種から入ってきた新人に対しても新入社員向けの研修が適しているでしょう。主な研修方法としては以下が挙げられます。
コンプライアンス研修
自社の社員として規範を守って行動してもらうために必要なのがコンプライアンス研修です。法令の遵守はもちろん、個人情報の適切な管理や社内外の規範を身に付けます。
ビジネスマナー研修
身だしなみ、挨拶、お辞儀、表情や態度などの基礎を学んでもらうのが主な狙いです。研修形式は座学やロールプレイングで行われることが多く、学生から社会人への意識を転換してもらう効果が期待できます。人材不足に悩んでいる企業の場合、ビジネスマナー研修をOJTで進めてしまいがちですが、実践的な内容に偏ってしまい、基礎固めが疎かになってしまう可能性があるのでおすすめできません。
マネー研修
高い金融リテラシーを身に付けるために行われるマネー研修では、各種税金や社会保険などを含んだ給与明細の具体的な読み方を教えられます。貯金と自己投資などの内容も指導できれば研修内容の充実も図れるでしょう。
OA研修
基本的なOA機器の取り扱い方を学ぶためのOA研修も必要です。専用のアプリやパソコンを使用して出退勤の管理やレジスターのメニュー更新を行っている企業では、新入社員が迷わずに使用できる仕組みを研修に盛り込みましょう。
若手社員向け
ここで言う若手社員とは、入社後1~3年目程度の若年社員を指しています。まだまだ一人前とは言えない若手に対して、与えられた業務を自身の力で完了できるビジネススキルや応用力を身に付けさせるのが狙いです。自社の将来を担う人材として、主体的な行動力やマネジメント能力を磨くためにも若手社員研修に力を入れる企業は多くあり、主に以下のような研修が広く行われています。
セルフマネジメント研修
ビジネスマンとして成功するためには、円滑な人間関係を構築できる能力や自己管理能力は必須の要素で、これらを磨くために行われるのがセルフマネジメント研修です。目標や目的を達成するためにPDCAを回して行動できる人材に育てることができれば、自社の貴重な戦力になるでしょう。また、自身の感情をコントロールしてモチベーションを高く維持するための研修もセルフマネジメント研修として取り入れている企業もあります。
キャリア研修
従業員自身にとって、会社に勤めながらどのようなキャリアを形成できるのかという点はとても気になるところでしょう。一般的なキャリア研修では、働く意義の見直しやキャリアデザインについての研修が多く、従業員自身にビジョンを改めて描いてもらったり、アクションプランを作成してもらったりするケースが多いです。会社側が階層別に求めるキャリアを明示したうえで研修を行うことにより、従業員の成長につなげられる可能性が高まります。自身の役割を的確にこなして自己成長ができれば、自社の利益向上のほか従業員満足度の向上にもつながるため、階層別に実施するキャリア研修も検討する必要があるでしょう。
現場リーダー研修
リーダーシップを高めるための研修ではあるものの、同時に組織運営の手法も学んでもらう研修です。ゴール設定やゴール管理、目標達成に向けたマネジメント能力の醸成が研修の主な目的になります。リーダーとしての責任感を身に付けるとともに、チームを率いて目標を達成する力を身に付けてもらう研修を繰り返して行うことで、将来の幹部候補の育成も可能です。
中堅社員向け
中堅社員の定義はさまざまですが、ここでは4年目以降の社員を中堅として説明します。中堅社員になれば、部署のプロジェクトリーダーとして、チームをまとめたり結果を出したりする能力が求められる段階です。そのため、研修内容はリーダーに必要な素養を醸成できる内容が向いており、多くの企業では以下のような研修を中堅社員に向けて行っています。
フォロワーシップ研修
フォロワーシップ研修の主な目的は、組織のリーダーを補佐する能力を高めることです。一般的な組織は、管理する側のリーダーは少人数、部下を意味するフォロワーが大人数という構成になっています。少数のリーダーだけで大きなプロジェクトを動かし続けるのには限界があるため、中堅社員向けの研修によって管理職と現場の架け橋となる人材を育てるのが目的です。
クレーム対応研修
お客様からのクレームは企業にとって業務改善につながるチャンスでもあります。クレームが発生するのは、自社の商品やサービス、対応に不満を持ったお客様がいるからです。円滑なクレーム対応ができる社員が多くなれば、不満を持ったお客様の気持ちを和らげるだけでなく、自社のファンになってもらえる可能性も高くなります。そのためには、クレームへの心構えや考え方を学んでもらったうえで、お客様の声に耳を傾ける力や、コミュニケーション力、問題解決能力などを高める研修が欠かせません。
メンター研修
従業員の不安や不満を払しょくさせるためには精神的な柱となる存在が必要です。とくに、新入社員は会社への不満から早期離職につながるケースもあるため、精神面をサポートしてくれるメンターの存在が欠かせません。そこで注目されているのが、メンターを育てるための研修です。そもそも、メンターには指導者や助言者などの意味がありますが、実際のメンター制度で必要なのは業務スキルの高さではなく、精神面でのサポート力です。そのため、メンター研修ではコミュニケーション能力や相手の気持ちを読み解き理解する能力を養うことを目的に行います。
管理職向け
管理職の定義は企業ごとに異なりますが、一般的には課長、次長、部長などのポジションが管理職の位置付けです。管理職には成果に関する説明責任が求められているため、その責任を全うできるスキルを身に付ける研修が欠かせません。また、人材マネジメント能力を養う内容も管理職には必須です。
リーダーシップ研修(リーダー研修)
管理職は、会社から与えられたプロジェクトを達成するために、部署をまとめて成果を達成するのが業務のひとつです。そのために必要なのがリーダーとしての責任感や統率力であり、部下の声に耳を傾け部署をまとめる能力です。リーダーシップ研修によって管理職に必要な能力を養うことが可能になるため、導入している企業は少なくありません。
コーチング研修
コーチングとは、対話を通して相手の目的を達成するために支援すること、相手の中にある答えを引き出すことなどの意味があります。管理職は、部下の心情を理解し、モチベーションを適切に保つのも大切な仕事のひとつであり、そのために活用できるのが管理職向けのコーチング研修です。部署の業務が円滑に進むかどうかは管理職のコミュニケーション能力にかかっていると言えるため、業績向上のためにもコーチング研修の導入を検討するのがよいでしょう。
マネジメント研修
管理職は部下の業務や労務を適切に管理する能力が求められます。また、経営戦略に沿って従業員を管理し、営業目標の達成に向けて実行できる人材マネジメント能力も必須のスキルです。そのため、マネジメント研修によってそうしたスキルを高める必要があります。リーダーシップ研修と内容を混同してしまいがちですが、リーダーシップ研修は部署の従業員を統率して導く能力を養う研修、マネジメント研修は管理能力を養う研修という違いがあります。