「博多一幸舎」で頑張っている社員一人ひとりが幸せになる仕組みのコツは「教育と評価」
「株式会社ウインズジャパン」様導入事例
今回お伺いしたのは、福岡市博多区に本社を置く「株式会社ウインズジャパン」様。「博多一幸舎」という博多とんこつラーメンブランドを国内のみにとどまらず、海外へも展開している会社です。GROWING ACADEMY[以下、グローイング・アカデミー]を2014年に導入し、現在では人事評価制度を構築し、人財育成に力を注いでいます。たくさんの失敗があったからこそ、入社してくれた人達が「成長して、幸せになる」ための効果的な取り組みが必要であると誰よりもよく分かっている取締役 副社長 入沢功様と、人事部 牛嶋健作様にお話を伺いました。
・失敗から学んだ企業の成長の道は「人財育成」から始まる
・人財育成を成功するためには「教育」と「評価」を連動させることが大事
・社内で「共通言語」ができてお店が更に良くなった
・『誇れる自分・誇れる仕事・誇れる会社』へ。評価制度拡充・ブラッシュアップへの想い
・「会社の想いを形にする」のが評価制度の基本、そして大事なのは「誰と作る」か
失敗から学んだ企業の成長の道は「人財育成」から始まる
人財育成に力を入れようと思ったきっかけは何ですか?
すごくいいお考えですね。人の成長のためには人財育成、教育が必要だと思われたんですね?
経営コンサルタントに相談をし、まずは経営理念を作成しました。これが一つの大きな転機になりましたね。一つの軸ができたというか、この辺りからきちんと人財に目を向けるようになったと思います。美味しいラーメンを作れるだけではなく、きちんと経営理念を理解している人に店舗を任せていかないと、結局はお客様も喜ばれないし、その先の会社の成長もないな、と。人として会社として、お客様に喜ばれるとか、地域に必要とされるとか、そういった会社の方向性が示せたことも大きかったです。その頃から、教育に力を入れ、じっくりと人を育ててから出店をする計画に変えました。グローイング・アカデミーを導入したのもこの頃です。
人財育成を成功するためには「教育」と「評価」を連動させることが大事
人財育成において当時どういった仕組みを準備されたのでしょうか?
入沢様 評価制度が必要だとその当時は思いまして、まずは税理士さんに依頼して作りました。今まで社長自ら、社員一人ひとりの行動を見てきましたが、店舗が増えて社員が増えたことにより、徐々に平等に見れなくなり、社員の不満の声が聞こえてきてしまったのです。まずは1ヵ月程で評価制度の形を作り、導入しました。ただ、実際にスタートし、従業員向けの説明会もやりましたが、うまく活用することができませんでした。今考えてみると、評価する側も制度をよく理解できていなかったんですよね。それがきっかけで管理者の成長も大切だと気付き、研修の導入を考え始めました。
評価制度を補う形で教育もほぼ同時にスタートしたのですね。
入沢様 そうですね。今後の展開のために、多くの人財を育てることを目標としていました。それにやはり「人の成長は会社の成長に繋がる」と思っていましたので、まずは人に投資をし教育に力を入れるようになりました。
では、グローイング・アカデミーを選んだポイントは何ですか?
社内で「共通言語」ができてお店が更に良くなった
グローイング・アカデミーを利用して、スタッフにどのような変化がありましたか?
牛嶋様 学んだことを、お店に戻ると他のスタッフに伝えるようになり、その結果、社内で共通の言葉を使うようになりました。たとえば「QSC」ですね。私が入社した頃には「QSC」という言葉を知っている人はほとんどいなかったように思います。もちろん言葉は知らなくても、普段から通常業務の一つとして当たり前に行うのですが、言葉を知ったことにより、より理解が深まり、「QSC」についての意識が高まったと感じています。共通のキーワードとして挙がるようになったことで、お店の中が劇的に良くなりました。
社内に「共通言語」ができたということですね。学んだことを実際に仕事に活かしたり、自分の行動に表すことで、会社がいい方向に変化していくのはとても嬉しいですよね。
評価制度と教育が連動し始めた、というところでしょうか?
牛嶋様 全員ができているとはまだ言えないですが、本来であれば、そこのレベルまで持っていきたいところです。H&Gに構築いただいた評価制度をやっと1年程回して、1回目の評価会議を行ったところです。我々もそんなに簡単に、制度が定着するとは思っていません。サイクルを回してみて、階層毎の不足箇所や会社の制度上の問題などが少しずつ浮き彫りになってきています。ここに関しては1年…いや、ずっと追求していかなければならないものでしょうね。とはいえ、評価制度を導入したことはとても大きかったと思います。都度取り組みを考えながら、課題を解決していきたいと思っています。我々としては、ほぼ想定通りで進められていますが、全体で言えば、まだ20%程度でしょうか。理想に近づけていけるよう、進めていきたいと思います。
『誇れる自分・誇れる仕事・誇れる会社』へ。評価制度拡充・ブラッシュアップへの想い
評価制度に対して今思うことはどんなことでしょうか?
牛嶋様 評価制度導入前は昇給や昇進の基準がなく、公正さに欠けていて社員の不満につながっていました。今後は社員ががんばった分の報酬がもらえて、誇りを持って働いてくれるような制度に整えていきたいですね。特に、給与面の満足度アップを実現していきたいと思っています。
評価制度、今後に期待することはなんでしょうか?
牛嶋様 評価制度を作った当初、店舗ビジネスでは「目立つ人は目立つし、目立たない人は目立たない」と思っていました。でも、目立たない人でも真面目に頑張っている人もいる。それを認めてあげたいという想いがありました。どうすれば頑張っている人たちを同じように認めてあげられるか、と。
入沢様 会社が望んでいる人財は、やはり自発的に行動してくれる人ですが、実際にそういう人財はなかなか育成するのが難しい。であれば、まずは「与えられたことを一生懸命にやれる人」が必要だと思っています。会社はそういう一生懸命に頑張れる人をきちんと評価し、そういった人にどんどん成長していってもらいたいですね。やはり社員の成長が、会社の成長ですから。
「会社の想いを形にする」のが評価制度の基本、そして大事なのは「誰と作る」か
経営者の皆さんのその想いが、評価制度を通じて社員に伝わるといいですね。
牛嶋様 そうですね。でも我々の想いをくみ取ってくれたのはH&Gの担当者でした。本当にとても良かったです。当初、どの会社にお願いするかと検討した時、内容はもちろんですが、担当者との相性も大切だなと感じました。コンサルタントの方に「これやって下さい」「あれ準備して下さい」と言われても、どうしても多忙でできないこともありましたが、そこを上手く汲み取ってくれていました。過去2回、評価制度を導入したのに失敗してきたからこそ、これは言えることです。そして我々の要望をちゃんと評価制度に反映してくれ、想いを形にしてくれました。更にH&Gの担当者は、我々のことを思って、プロの目線でアドバイスをくれ、時には厳しく指摘してくれたりもしました。
入沢様 形にできたその想いは、評価者を通じて被評価者に伝わったと感じています。ある管理者は、自分の部下に対して、細かく行動を見るようになりました。部下の成長を考えてなのか、厳しく評価したいというか…経営者の目線で考えられるようになりましたね。
本日のお話を伺い、「博多一幸舎」さんは、「人を育てる」場所であると分かりました。
企業情報
- 企業名
- 株式会社ウインズジャパン
- 従業員数
- 266名(2020年6月24日現在)
- 店舗数
- 17店舗(2020年6月24日現在)
- 資本金
- 1,000万円(2020年6月24日現在)
- 業種業界
- ラーメン
- 事業内容
- 飲食店の運営
- URL
- http://www.ikkousha.com/