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- 外国人向けの社員研修で行うべきこととは?研修内容や注意点を解説
日本社会は、今後ますますグローバル化が進展していき、外国人労働者を雇用する機会も増えていく可能性があります。ところが外国人スタッフを雇う場合、日本人社員とは異なる点も多く、雇用をためらってしまう会社も多いのではないでしょうか。外国人スタッフが日本人社員と円滑にコミュニケーションをとり、仕事を効率よく進めるためにはしっかりとした研修が必要です。外国人スタッフに向けた研修は、どのような手順と方法で行うべきなのかを具体的に見ていきましょう。
1.何のためにやるの?外国人スタッフに研修を行う重要性
外国人スタッフに向けた研修を実施する場合、その目的についてしっかりと理解しておく必要があるのです。ここでは、外国人向けの研修の意義や重要性について解説していきます。
1-1.コミュニケーションが円滑になる
日本国内と海外では、文化が大きく異なります。海外の職場なら当然とされていることでも、日本の職場においては問題につながる態度や振る舞いがあるのです。そうした常識やマナーを理解していない外国人を雇い入れると、職場の雰囲気を壊すこともあります。研修を通じて、文化的な違いについて学んでもらうことで、トラブルが起こるリスクを減らすことができるのです。職場でのマナーを知れば、日本人社員との間でトラブルが起こることも少なくなるでしょう。また、外国人スタッフには、日本語能力に自信がない人も多くいます。研修によって日本人社員とかかわっていくなかで、言語能力や信頼関係を高めれば、コミュニケーションを円滑に行えるようになるでしょう。
1-2.仕事のモチベーションが向上する
外国人が日本企業で働くうえで、最も大きな障害となるのは「日本語を話せない」という点でしょう。母国語とは違い、習得が不充分な日本語でコミュニケーションをとるのは簡単ではありません。仕事の内容が把握しづらいというだけではなく、職場に馴染むことができないために、モチベーションを保てなくなってしまいます。日本の職場環境に慣れるように丁寧な研修を行うことで、外国人スタッフが日本人社員と打ち解けるチャンスを増やすことができるのです。それは、外国人スタッフの意欲向上だけではなく、一緒に働く日本人社員の意識を高めることにもつながるでしょう。
1-3.イノベーションが促進される
外国人スタッフは、日本人社員とは異なる価値観や視点を持っていることも多いのです。研修を通して交流が深まることで、新しい発想やアイデアが生まれる可能性は少なくありません。たとえば「効率の良い働き方」や「斬新な発想がひらめく」といった、職場内のイノベーションが促進されるというメリットがあります。
2.どうすればいいの?外国人スタッフに必要な研修の内容と順番
外国人スタッフに研修を行うことは、職場におけるプラスの影響があります。ただ、実際の研修となると「どのように実施するべきか」という点で迷ってしまいがちです。外国人スタッフに必要となる研修内容と順番について紹介します。
2-1.会社が目指す価値観を教える
外国人スタッフへの研修で、最初に伝えておくべきなのは「会社の目指す価値観」「サービスのコンセプト」といった部分です。自分たちの仕事がどのように社会へ役立っていくのかを理解してもらうことが、外国人スタッフのモチベーションを高めます。ただし、教えるといっても、単純に言葉で伝えるだけでは足りません。外国人スタッフは、日本人とは異なる文化・価値観を持っています。日本人なら自然と受け入られる理想も、外国人には理解できなかったり抵抗を覚えたりする場合があるからです。頭だけではなく、気持ちの面からも、会社の理想をわかってもらうことが重要になります。
2-2.日本のビジネスマナーを教える
外国人スタッフが日本で働くうえで、具体的に身につけるべきビジネスマナーについて研修を行うことも重要です。仕事の進め方はもちろん、普段の会話や食事の際の作法など、日本独特のマナーは少なくありません。たとえば「名刺交換」「席次」といった考え方は、外国人スタッフにはほとんど馴染みのないものでしょう。マナーを知らなかったために、取引先とトラブルになるといったケースもあります。だからこそ、研修を通じて覚えてもらう必要があるのです。
2-3.現場の仕事環境を教える
研修の目的は、外国人スタッフが実際に現場でスムーズに働けるようにすることです。そのため、研修の最後は会議室などではなく、社員が働いている仕事場を見学させると良いでしょう。これから自分たちが仕事を行う場所を目にすれば、日本で働くことの不安感を和らげたり、リラックスさせたりできます。働く側の視点を持って、見学ルートを考えてみましょう。
3.外国人スタッフの働く意欲に直結!企業が研修で提供するものは?
外国人スタッフへの研修で、企業側からきちんと提供するべきものがあります。海外から働きに来る外国人スタッフには、それぞれ目的があるはずです。そうした要望を満たすことが結果として、外国人スタッフの働きぶりにも影響するという点を忘れないでおきましょう。
3-1.適正な労働条件
外国人スタッフにしっかりと仕事をしてもらうためにも「適正な労働条件」を整えることは欠かせません。日本人社員と変わらない待遇を用意し、あらかじめ納得してもらうことが必要です。「適正な労働条件」とは、契約を交わしたときに定められた通りの賃金・労働時間をもとにした労働条件を指します。賃金の発生しないサービス残業や不当な時間外勤務、休日出勤などを強要してはいけません。労務関係のルールは複雑でもあるので、雇用契約書を交わす際に丁寧な説明を行う必要があります。
3-2.快適に働ける職場環境
日本人にとっては馴染みのある習慣が、外国人にとっても同じように親しまれるとは限りません。そのため、外国人スタッフの働きやすい職場環境を整えるためには、これまでの常識を改めて見つめる必要があるでしょう。日本の会社のなかには、ミスをした社員を人前で叱るところがあります。しかし、外国人のなかには、こうした行為を「侮辱された」と感じる人もいるのです。また、いわゆる「飲みニケーション」と呼ばれる、上司から飲み会参加を強要するといった行為もあります。プライベートと仕事を分けて考える文化のある外国人の場合、これはトラブルのもとになるでしょう。
外国人スタッフが快適に働くためには、日本人社員の意識や雇用する会社側の環境を変えることも求められます。全員にとってバランスの良い職場環境を考えてみましょう。
3-3.過ごしやすい生活環境
社員寮などを用意したり、宿泊研修を行ったりする場合、外国人スタッフが不平や不満を抱かないように配慮する必要があります。複数の社員を一部屋にまとめて、相部屋に住まわせるような対応は好ましくありません。不平や不満を感じないための生活空間を実現するには、それぞれに個室を用意するなど、ストレスから解放される空間を用意してあげることが必要です。生活面が充実すれば、ほかの社員とも心地よい関係を築くことができるというだけではなく、地域社会に溶け込むこともできるでしょう。安心して働くためには、住環境の整備が大切であることを忘れないことが肝心です。
4.外国人スタッフ受け入れに対して既存社員に行う研修内容
外国人スタッフを受け入れる会社側にも、研修を通じて準備を行う必要があります。外国人スタッフにとって、最大の障害となるのは「言葉の壁」です。外国人スタッフに日本語を学んでもらうことも大切ですが、日本人社員に英語教育などを行うことも重要でしょう。また、外国人スタッフの母国に関して、文化や宗教について学ぶことも大切です。習慣や常識の違いをあらかじめ、ある程度は把握しておく必要があるでしょう。外国人スタッフと日本人社員の双方で理解を深めてこそ、トラブルを少なくすることができ、業務を円滑に進めていけるでしょう。
5.まとめ
外国人か日本人かを問わず、快適に働ける職場を作ってこそ、社員の満足度が高い会社組織を築いていくことができます。しかし、社員研修には多くの費用や労力がかかるというのも確かです。ホスピタリティ&グローイング・ジャパンには、外国人スタッフに関するマネジメントについての日本人社員向けの研修「外国人スタッフ戦力化研修(講師派遣型研修・短期集中研修)」があり、外国人スタッフをマネジメントするための基礎知識やティーチングの秘訣を学ぶことができます。ロールプレイングによるティーチングの実践もあります。サービスを上手に利用することで、外国人スタッフのマネジメントを効率的に進めることを考えてみてはいかがでしょうか。