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適材適所と研修の有効活用で、100年ビジョン”世界一感謝の集まる食に関わる企業”に
株式会社奴ダイニング様 導入事例
今回お伺いしたのは、東京都千代田区秋葉原の「株式会社奴ダイニング」様。『BEEF KITCHEN STAND』など、東京・横浜を中心に飲食店経営やFC展開事業を行っている会社です。GROWING ACADEMY[以下、グローイング・アカデミー]、GROWING MOBILE [以下、グローイング・モバイル]を導入いただくと同時に、店長育成マニュアルを作成し、社内研修も充実させて人財育成に取り組まれています。導入の背景や実際の活用方法について、代表取締役社長の松本丈志様にお話を伺いました。
・信頼する先輩経営者に倣いグローイング・アカデミーを導入
・選ばれる”良い店”にするにはサービスレベルの維持が重要
・スタッフの特性を分析し最適な組み合わせを考えるのも仕事
・店長になるための心得を伝えるために育成マニュアルを作成
・店長・副店長レベルの人財育成が繁盛店を作るポイントに
・ともに100年ビジョンを描けるスタッフを研修で育成し続ける
信頼する先輩経営者に倣いグローイング・アカデミーを導入
グローイング・アカデミーを導入していただいたきっかけは何ですか?
H&G主催の有志塾(志が有る方に更なる飛躍のきっかけを提供する経営者、経営幹部向けの塾)で出会った先輩経営者の方々がグローイング・アカデミーを利用して成果を上げ、上場を実現したと伺ったからです。今後はチェーン展開し、ゆくゆくは上場を目指しているのですが、すでに同じ夢を実現した先輩方がやっていることを真似て取り入れれば、自分も夢を実現できるだろうと思いました。
グローイング・アカデミーに加えて、今後はグローイング・モバイルも導入される予定ですね。
松本様
はい。有志塾の先輩方がみなさん利用されていて、「ゲーム感覚でできていいよ」と仰っていたので弊社でも取り入れることにしました。気軽にできますし、反復して学べるのがいいですよね。また自社のオリジナル問題も作成し、取り入れることができるので、自社研修だと1回で終わってしまう内容を何度も学ばせることができます。
ほかのサービスは検討されなかったのですか?
松本様
いろいろな自社研修を行っているので、導入しているサービスはほかにもありますが、目的が違います。サービス業に特化していて、サービスの基本を学ばせるという目的では、グローイング・アカデミーとグローイング・モバイルだけです。
実際にグローイング・アカデミーを受講いただいて、どんな感想を持ちましたか?
松本様
内容だけでなく、教え方という点で学ぶところが大きかったですね。店舗のサービスレベルを上げるために社員教育にはとても力を入れていて、自社研修はかなり実施しているんですが、どうしても内容ややり方が偏りがちです。グローイング・アカデミーには、ディスカッションとかフィードバックとか、これまで私が経験したことがない内容があって勉強になりました。
選ばれる”良い店”にするにはサービスレベルの維持が重要
なぜ、そんなに教育に力を注いでいるのですか?
松本様
いまは、お客様が店を選べる時代ですから、選ばれるような”良い店”でなければ生き残っていくことができません。
“良い店”とは、どんなお店ですか?
松本様
店のコンセプトをぶらさないことを大前提に、お客様満足度が100%の店のことだと思います。そのためには、おもてなし以前にまず基本的なサービスレベルを維持することが非常に重要です。弊社は業種的にお客様と接するポイントが多く、お客様アンケートを見ても不満の9割はサービスに関することなんです。
基本的なサービスができていないと、すぐクレームにつながってしまうわけですね。
店には繁華街型と地域性型があって、弊社はどちらのタイプの店舗も持っています。なかでもスタッフのサービスレベルが重要になるのは、新宿店のような観光客など外部流入のお客様が多い繁華街型よりも、地域性型店舗。
たとえば蒲田店のような地域性型は、その地域の方がメインのお客様なので、サービスレベルが低くて嫌われたら、途端にお客様が来なくなってしまいます。アルバイトでも社員でも、お客様から見ればスタッフとしては同じこと。だから、アルバイトのサービスレベルにも気が抜けません。
そこで、サービス業としての基本中の基本を学ばせるために、グローイング・アカデミーを選んでいただいたということですね。
松本様
はい。特に、サービス業での経験がまだ浅い社員に学ばせたいと思っています。私や幹部社員のようにこの業界が長い人にとっては当たり前のことが、入ったばかりの社員には未知の世界。これまで当たり前と思っていたことが、入ったばかりの社員にとってはそうではないと気づかされました。
かなり細かく目を配って指導されていると思いますが、それでも外部研修を入れる必要があるのですか?
松本様
もちろん私たちも一生懸命教えてはいますが、すべてを網羅することは到底できません。なので、グローイング・アカデミーのような外部サービスをうまく活用して、「必要最低限ここは知っていてほしい」ということをスピーディに効率よく学ばせたいと思っています。
お客様満足度を上げるためには、どんな取り組みをされているのですか?
松本様
お客様アンケートをしっかり取るようにしています。店舗では各席にQRコードを用意し、お客様からアンケートをいただいた瞬間に、コミュニケーションツールで全員に共有できるようにしています。
リアルタイムでお客様の声が共有されているというのはすごいですね!
以前、閉店間際の店舗でスタッフを指導していたときにアンケートが届きまして。「店と味は良かったけど、スタッフを叱っている人(=松本社長)の声がうるさかった」と。瞬く間に全社員に共有されてしまって慌てたこともありました(笑)。
スタッフの特性を分析し最適な組み合わせを考えるのも仕事
実際にグローイング・アカデミーを導入してみていかがですか?
松本様
最初は社員からと思っていますが、やる気があればアルバイトでもどんどん行かせたいです。それと、一人ひとりの性格や適性に合った研修を選んで行かせたほうがいいかなとは思っています。
性格や適性に合った研修はどのように選びますか?
松本様
私は個人の思考特性と行動特性を測定するテストのインストラクター資格を持っているので、人財の配置や教育に活用しているんです。
すべてのスタッフの方の性格を把握していらっしゃるんですね!
言われたことをきちんとやるのが得意な人、アイデアを出すのが得意な人、社交的で人とのコミュニケーションが得意な人・・・いろんなスタッフがいます。その人の特性を知っておくと、伝わりやすい言い方や、どの店長とどの人を組ませるとパフォーマンスが上がるのかがわかるんです。
すごいですね!それは研修にも応用できますか?
松本様
その人の特性に合った研修を受けさせたほうが効果的なはずです。なので、ただ受講させるだけでなく、誰にどの講座を受けさせたらいいのか、性格や特性をよく考えたほうがいいかなと思っています。
研修はオンデマンドでも受けられますが、通学型との使い分けは考えていらっしゃいますか?
松本様
通学型でもオンデマンドでも、社員に任せっきりではうまくいかないと思います。オンデマンドを利用する場合でも、「やっておいてね」ではなく、みなで集まって一緒に見るなど、何か工夫が必要になるんじゃないでしょうか。
外部研修ならではのメリットは何だと思いますか?
松本様
学ぶ方法が社内や社外にいろいろあったほうが飽きないので継続しやすいと思います。それと、同じことでも慣れている私より外部の方に言ってもらったほうが、納得しやすいこともあるようです。研修を受けたあとに、「そういえば、社長も前から同じこと言っていましたよね」と言われ、「あー、やっとわかってくれたか」ということも少なくありません。
店長になるための心得を伝えるために育成マニュアルを作成
今回、店長育成マニュアルの作成をご依頼いただきました。
資料はたくさん作ってきましたが、実はこういうマニュアルは今まで作っていませんでした。店長になるには何が必要なのかを明確化しておらず、「そろそろ任せてもいいんじゃないか」という感覚で店長に任命していたりして、不透明な部分が多かったのが課題でした。
そこで、「店長育成マニュアル」という形で、店長になるための心得のようなものをきちんと作ろうと思ったんです。これまで感覚でやってきたことを明確化し、わかりやすくまとめることができたので非常によかったと思っています。
社内で作らずに外部に委託されたのはどうしてですか?
松本様
これも有志塾で出会った信頼できる先輩方が同じような資料を作ってもらったと聞いていましたし、こういうものはその道のプロに任せるのが一番いいだろうと思ったからです。
その理由は?
松本様
店長レベルのマニュアルとなると経営的な視点が必要になるので、社員では内容がわからずテキストが作れません。結局、社長の私が作ることになるわけですが、私はアイデアを出すのは得意でも、資料作成のような事務作業的なことは本当に苦手で。がんばってなんとか作っても、もうヘトヘト(笑)。これは自分で作るのは難しいなと思い、お任せすることにしました。
制作会社に依頼するという方法もあるかと思いますが?
松本様
それは難しいでしょうね。大事なのはデザインではなくて中身です。サービス業の店長がどんなものかを知っていないと、とても作れないと思います。経験も能力もある社員に一度任せてみたのですが、経営に関しては素人なのでうまく作れませんでした。やはり、業界をよく知っていて、実績のある会社にお願いするのが確実だし、早いと思います。
店長・副店長レベルの人財育成が繁盛店を作るポイントに
店長育成マニュアルを完成させるまでのフローを教えてください。
松本様
弊社の場合はこれまでにいろんな資料を作っていたので、まずそれを全部提出しました。それからヒアリングをしていろいろなアイデアを出し合い、盛り込むべき内容を洗い出してラフを作ってから、打ち合わせを重ねて内容を精査していきました。完成まで、4〜5カ月くらいでした。
作成にあたってこだわったポイントはどこですか?
松本様
まず、うちの色を消さないこと。まったく何も資料がない状態で作ってもらったという先輩もいましたが、弊社の場合はとにかくいろんな資料がすでに手元にあったので、それを活かす方向で作ってもらいました。
御社の店舗の店長になるためには、どんなことが必要だと思いますか?
店長なら知っておくべきこと、当たり前のことが当たり前にわかっていなければ、店長は務まりません。一番大事なのは本人のやる気ですが、店のトップですから経営意識や数字への責任感はもちろんのこと、スタッフのマネジメント能力も大事。嘘をついたり不正を働くのは論外です。
能力が低くても難しいと思いますが、能力が高ければいいかというとそうではありません。店長のスピード感についてこられないスタッフもいるかもしれないし、言い方や態度がきついと傷つく人も出てきます。そのあたりのコミュニケーション能力や人のマネジメント能力が、バランス良く求められるのが店長の難しいところですね。
そこで店長育成マニュアルが役に立つということでしょうか?
松本様
そもそもの適性もある程度はありますが、学んだり教わったりすることで、店長としての資質が覚醒することはあると思います。現に、右肩上がりにみるみる成長していくスタッフもいます。そのいい例が、西新宿店。出店当初は「え、こんなところに店を出すの?」とも言われましたが、今では売上トップの秋葉原店と並ぶ繁盛店になりました。
その理由はやはり、店長・副店長をはじめ良いスタッフが揃っているから。みな明るく楽しそうに仕事をしてくれています。逆に、人を育てきれなくて失敗した店舗もあります。やはり、人の教育は大事だなと思いますし、一人ひとりの特性を知ってうまく活かすことも重要だと感じます。
ここまで一人ひとりをしっかり見て育てているから、社員の方の定着率がいいのでしょうか?
松本様
そうかもしれません。ここ数年、社員の離職率は18%くらいでしょうか。アルバイトは営業時間を短縮したこともあって、人数を減らしました。今後はアルバイトを社員化することに力を入れて、より人を育てることに注力していきたいと思っています。
それは、どうしてですか?
松本様
一定のサービスレベルを維持するためには、長く働いてくれるスタッフが必要だからです。短期間のアルバイトだと、どうしても研修が追いつかず目も行き届かずになりがちで、サービスレベルの低下を招きやすくなりますから。
ともに100年ビジョンを描けるスタッフを研修で育成し続ける
会社として、今後どのような展望をお持ちですか?
単一店舗でチェーン展開し、2024年の上場を目指しています。都内・神奈川を中心に、千葉・埼玉でも店舗を増やしていく予定です。店舗出店にはどうしても好立地が必要になるので、良い場所に巡り会えたらどんどん物件を取っていきたいと考えています。良いスタッフも少しずつ増やしていく予定です。
私たちの100年ビジョンは「世界一感謝の集まる食に関わる企業になる」こと。そのために「楽しい・美味しい・嬉しい」サービスの提供をこれからもずっと続けていきます。お客様満足度と従業員満足度を追求し、飲食業を世界一の人気職業業種にするのが私たちのミッションです。
そのようなビジョンの中で、研修や店長育成マニュアルをどう活用していきたいですか?
松本様
グローイング・アカデミーもグローイング・モバイルも活用するのは本当にこれから。通学、オンデマンド、モバイルの3つをうまく使いながら、社員の成長を促す研修にしたいと考えています。
店長育成マニュアルもまだできたばかりで、運用はこれからです。店長としてわかっていてほしい基本的な内容だけを盛り込んだ状態でまだ完璧なものではないので、ブラッシュアップを重ねてよりよいものに進化させていきたいです。
編集後記
お客様とスタッフ、人と人とが交わる飲食業界で感謝と笑顔のある店づくりを牽引している株式会社奴ダイニング様。性格・行動特性診断から社内研修、日々の指導まで、一人ひとりのスタッフを本当に大切に思い、細やかな気配り・目配りで教育に取り組んでいる姿に心打たれました。100年ビジョンをともに叶える素晴らしい人財がどんどん育つことを期待しています。
お客様情報
- 会社名
- 株式会社奴ダイニング
- 従業員数
- 200名(2019年12月3日現在)
- 店舗数
- 11店舗(2019年12月3日現在)
- 資本金
- 3,300万円
- 業種業界
- 飲食店
- 事業内容
- 最新テクノロジーを駆使する飲食店ビジネスモデルの提案・開発、飲食店の経営・FC展開、食品・調味料の提案、開発、最新のマーケティングを駆使した広報活動、広告活動、経営マネジメント研修、人材教育、コンサルティング、プロデュース、インバウンドマーケティング
- 売上
- 500,000千円(2019年10月期)
- URL
- https://www.yakko-dining.com/